パソコンのことはよくわからないんだけど、メールの送受信やホームページ閲覧ぐらいならできる、という方が結構いらっしゃると思います。筆者の伯母もその一人。毎日メールをチェックし、お気に入りのホームページを閲覧しているのですが、それ以外のことは手取り足取り教えてあげたらできる、といった具合です。この伯母に、あることを頼んでみました。
<INDEX>
■プラグインのアップデートができますか?
■PCビギナーの叔母がわからなかった言葉とは
○コード実行 ○ブラウザ
○スパムメール ○アンインストール
■初めて開く「コントロールパネル」
★コラム:コントロールパネルから「セキュリティセンター」を開いてみよう
■プラグインのアップデートに挑戦しよう
<本文>
筆者が伯母に頼んだ内容は次の通りです。
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6月のトピックス『初心者必読! しないと怖い「プラグイン」
アップデートの方法』を読み、わからない言葉があったら
教えてほしい。
また、書いてある通りのことを実行してみてほしい。
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伯母に読んでもらったのは、パソコンにあまり詳しくない方向けに、「プラグインのアップデート」が大切な理由と、具体的なアップデート方法について説明したトピックス記事です。たくさんの方からアクセスしていただいている記事なのですが、内容を理解して実行してもらうのが目的ですから、読んで終わりにしてしまうのではなく、「パソコンにあまり詳しくない」人でも実際にアップデート作業を実行できるのかどうかを知りたかったのです。
伯母に「ゆっくり読んで、書いてあることを実行してみてほしい」と頼んだところ、数時間後に電話がかかってきました。
伯母いわく、「書いてある内容はだいたいわかったと思うが、意味がわからない言葉もあった。書かれていた作業については、難しそうでどうしようか迷っていたところに、たまたまパソコンに詳しい人が遊びに来たので、手伝ってもらいながらやってみた」。また、作業は「多分、もう一人でもできると思う」とのことでした。
伯母がわからなかったという言葉は、「コード実行」「ブラウザ」「スパムメール」「アンインストール」の4つ。そう言われればそうかもなあ、と思わせるラインナップです。伯母以外にも、これらの言葉がわからない人がきっといるでしょう。そんな方のために、これらについて説明します。
○コード実行
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これはわからない人がいるだろうと筆者も思ったので、
次のように書いたのですが、伯母にはピンとこなかったようです。
コード実行が可能になってしまう脆弱性――わかりやすく言うと、
攻撃者がユーザーのパソコン上で好き勝手なことができるように
なってしまう脆弱性です。
(『初心者必読! しないと怖い「プラグイン」アップデートの方法』より)
※脆弱性(ぜいじゃくせい):セキュリティ上の欠陥や弱点
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「コード」とは、コンピューターに対する指示書のようなものです。「コードを実行する」とは、「(コンピューターが)指示書に書かれている作業を実行する」ということです。
もし、あなたのコンピューターに「コード実行が可能になってしまう脆弱性」があったなら、悪意を持った人物(攻撃者)の指示したことが、あなたのパソコン上で実行されてしまうおそれがあるのです。
○ブラウザ
インターネットでホームページを見るときに利用するソフトウェアのことです。英語で書くと Browser。動詞の browse(ブラウズ:閲覧する)からきている言葉です。
「Internet Explorer」や、「Firefox」を使っている方が多いでしょう。ほかに、「Safari」「Google Chrome」「Opera」などがあります。
ついでに、メーラーという言葉も覚えてしまいましょう。これは言い換えるとすぐにわかります。メールソフトのことです。「Outlook Express」「Windowsメール」「Outlook」「Becky!」「Thunderbird」などがあります。
○スパムメール
これもわかってしまえば簡単、迷惑メールのことです。アメリカの食品会社 Hormel Foods が「SPAM」というランチョンミートの缶詰を販売しているのですが、この「SPAM」をネタにしたコントが語源になっているようです。
・迷惑メール(spam)の経緯~spamの語源(日本インターネットプロバイダー協会)
http://www.jaipa.or.jp/UCE/circum.html
○アンインストール
コンピューターにインストールされているソフトウェアを削除することです。
インストールがわかるのに、アンインストールがわからないのか、とちょっと意外だったのですが、考えてみると、メールの送受信とホームページの閲覧をするだけなら、アンインストールが要求される場面はごく少ないでしょう。
アンインストールは、ほとんどの場合、コントロールパネル(次項で説明します)から実行します。XPなら「プログラムの追加と削除」、Vistaなら「プログラムのアンインルトール(カテゴリ別表示の場合)」または「プログラムと機能(クラシック表示の場合)」を開き、画面の指示に従ってください。
アンインストールの作業を一度もしたことがないと伯母に言われ、頭に浮かんだのが「もしかしてコントロールパネルを開いたこともないのだろうか」ということです。たずねてみると、やはりそうでした。
コントロールパネルとは、文字通りコンピューターのさまざまな機能をコントロールするための画面です。プラグインのアップデートや自動更新の設定を行う際にも使います。
コントロールパネルについて、わかりやすく説明してある資料をご紹介します。この資料ではXPのコントロールパネルについて説明してありますが、Vistaのユーザーでも参考になります。
・コントロール パネルについて知ろう(Microsoftサポートオンライン)
また、XPとVistaでは、コントロールパネルを「カテゴリ別表示」と「クラシック表示」の二つの表示方法で表示することができます。簡単に切り替えられるので、実際に試してみてください。
・コントロール パネルを表示してみよう(Microsoftサポートオンライン)
http://support.microsoft.com/kb/883239/JA/
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★コラム:コントロールパネルから「セキュリティセンター」を開いてみよう
Windowsの「セキュリティセンター」を開いて、あなたのパソコンのセキュリティの状態を確かめてみましょう。
コントロールパネルを開き、カテゴリ別表示にしてください。XPなら「セキュリティセンター」を、Vistaなら「セキュリティ」カテゴリの「セキュリティ状態の確認」をクリックしてください。セキュリティセンターが開きます。
それぞれ図のような表示になっていれば安心です。もし、「無効」や「設定を確認してください」という表示があったら、できるだけ早く対策をとらなければなりません。どうしたらいいのかわからない場合は、パソコンに詳しい方や、パソコンの設定やサポートを行っている業者に相談してください。
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現在(10月22日)、プラグイン「Flash Player」「Adobe Reader」や、「Microsoft Office」「Internet Explorer」の脆弱性を悪用しようとする攻撃活動が多数報告されています。手口から見て、今年4月から5月にかけて猛威をふるったウイルス「Gumblar」が活動を再開したようです。
ウイルス感染を防ぐため、急いでプラグインをアップデートしてください。また、Microsoft Update(Windows Update)も必ず実行してください。
それでは、プラグインの更新に挑戦しましょう。まず、各プラグインの10月22日時点での最新バージョンは次の通りです。
<<プラグインの最新バージョン(2009年10月22日時点)>>
・Adobe Flash Player:「10.0.32.18」
・Adobe Reader:「9.2.0」
・QuickTime:「7.6.4」
・RealPlayer:「SP 1.0(12.0.0.301)」
・JRE(Java Runtime Environment):「6 Update 16(1.6.0_16)」(※)
『初心者必読! しないと怖い「プラグイン」アップデートの方法』を開いてください。それぞれのプラグインについて、まず、現在あなたのパソコンにインストールされているバージョンを確認します。もし、古いバージョンのままだったら、アップデートを実行しましょう。その後、自動更新の設定を行います。
その際、次のことを参考にしてください。 1. 代表的なプラグイン5つを取り上げて説明してありますが、これらが今インストールされていないなら、新たにダウンロード・インストールする必要はありません。
2. QuickTimeとJREについては、コントロールパネルを使う方法を紹介しています。コントロールパネルをクラシック表示の状態にして作業してください。あなたのパソコンにQuickTimeやJREがインストールされていたら、次のアイコン(マーク)がコントロールパネルに表示されています。
(※)JREのアップデートについて
10月22日現在、JREが「6 Update 15」になっていると、コントロールパネルからアップデートをしようとしても「このシステムはすでに最新のJava(TM)プラットフォームになっています。」と表示され、「6 Update 16」へアップデートすることができません。
JRE開発元のSunでは「6 Update 15」のままでもセキュリティ上の問題はないとしていますが、「6 Update 16」に更新したい方は、次のページを使うと簡単です。「Javaのバージョンの確認」と書かれている青いボタンを押して、指示に従ってください。
・インストールの確認(Sun)
http://www.java.com/ja/download/installed.jsp
(執筆:現代フォーラム/北野)