前回に続き、今回も「アップデート」について説明します。対象は、Windowsをご利用の方です。前回は、アップデートが必要な理由と、Windowsのアップデートについて解説しました。WindowsのバージョンやSP(サービスパック)の適用状況を確認する方法も紹介しましたが、試してみていただけたでしょうか。
さて今回は、ブラウザ用プラグイン4本について、アップデートの方法をお伝えします。
<INDEX>
■ プラグインとは
■ アップデートを行う前に~知っておきたいこと
■ Adobe Readerをアップデートする
■ JREをアップデートする
■ Flash Playerをアップデートする
■ QuickTimeをアップデートする
<本文>
プラグインとは、ソフトウェアに機能を追加するためのプログラムです。利用者が多いプラグインとしては、「Adobe Reader」「JRE」「Flash Player」「QuickTime」が挙げられますが、これらはすべて、ブラウザ(注1)に機能を追加するためのものです。たとえばFlash PlayerをインストールするとFlashコンテンツ(アドビ社のFlashで作成された動画やゲームなど)を再生できるようになりますし、Adobe ReaderをインストールするとPDFファイル(注2)を開けるようになります。
こちらで詳しく説明していますので、ご一読ください。
・初心者必読! しないと怖い「プラグイン」アップデートの方法(ネットセキュリティニュースコラム 2009年6月)
注1)ブラウザ:インターネットでホームページを見るときに利用するソフトウェアのこと。Internet ExplorerやFirefox、Google Chromeを使っている方が多いでしょう。
注2)PDFファイル:PDF形式で保存された文書ファイルで、拡張子は「.pdf」となっています。
次の3つについて、押さえておいてください。
(1) このコラムでとりあげているアップデートは、すべて無料で実行できます。
(2) これから説明するAdobe Reader、JRE、Flash Player、QuickTimeが現在パソコンにインストールされていない場合は、新たにインストールする必要はありません。
(3) 以下がよく分からないという方は、前回のコラムを参考にしてください。
・スタートボタン
・コントロールパネルの開き方と表示方法の変更の仕方
・インストール、アップデートと管理者権限、ユーザーアカウント制御
◎アップデートを実行しよう【WindowsOS編】(前回コラム)
Adobe Readerは、PDFファイルを閲覧するためのプラグインです。ほとんどのメーカー製パソコンに最初からインストールされています。
4月25日現在の最新版は、「10.0.1(Adobe Reader X 10.0.1)」。無料で入手できます。
・Adobe Reader 最新版ダウンロードページ(アドビ)
http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/readstep2.html
※修正プログラムが公開されていることがあるので、インストール後にアップデートを実行しましょう。
・Adobe Reader Xのダウンロード手順(アドビ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/759/7597.html
Adobe Reader 9を利用している場合、下記の手順でアップデートの操作を行うと、最新版の9.4.4に更新されます(4月25日現在)。なお、Adobe Readerの最新バージョンであるAdobe Reader Xには、新たなセキュリティ対策として「保護モード」が搭載されており、この機能によって、脆弱性を悪用した攻撃が大幅に緩和されます。Adobe Reader 9を使ってきた方は、この機会にReader Xへアップグレードすることを検討しましょう。アップグレードを行う際は、事前に古いAdobe Readerをアンインストールしておくようおすすめします。
【Adobe Readerがインストールされているかどうかを確認する】
・[スタート]ボタン→[すべてのプログラム]とすすみます。Adobe Readerがインストールされていたら一覧に名前が表示されています。
「現在使用しているバージョンの確認」「アップデートの手順」「自動更新の設定」のやり方については、こちらを参照してください。2010年5月の資料ですが、現在も同じ操作で実行できます。
・初心者必見! 究極の感染対策「6つの約束」を実行しよう~Adobe Reader(ネットセキュリティニュースコラム 2010年5月)
アップデートを行った後は、以下を参照し、悪用される可能性のある機能3つを無効にしておくようおすすめします。
・初心者必見! 究極の感染対策「6つの約束」を実行しよう~Adobe ReaderのAcrobat JavaScriptを無効に設定する(ネットセキュリティニュースコラム 2010年5月)
JRE(Java Runtime Environment:Java実行環境)は、Javaプログラム(ゲーム、チャットなど)を実行するために必要なソフトウェア群です。
4月25日現在の最新版は、「6 Update24(1.6.0_24)」です。無料で入手できます。
・JRE 6最新版ダウンロードページ(オラクル)
http://java.com/ja/download/
JREでは、更新版をインストールしても、旧バージョンがパソコンに残っていることがあります。業務や訪問サイトの都合で古いバージョンのJREが必要なこともありますが、そうでないかぎり、最新版のみを残してほかを削除(アンインストール)するようおすすめします。
【JREがインストールされているかどうかを確認する】
・「Javaソフトウェアのインストール状況の確認」ページを開き、[Javaのバージョン確認]のボタンをクリックします。
・Java ソフトウェアのインストール状況の確認(オラクル)
http://java.com/ja/download/installed.jsp
JREの最新版がインストールされていたら、「Javaのバージョンを確認しました。正常な設定です」と表示されます。
インストールされているJREが最新版でないときは、このように表示されます。
JREがインストールされていないときは、しばらく待たされた後にこのように表示されるので、そのままページを閉じてください。
「インストールされているバージョンすべてを確認する」「アップデートの手順」「自動更新の設定」のやり方については、こちらを参照してください。2010年5月の資料ですが、現在も同じ操作で実行できます。
・初心者必見! 究極の感染対策「6つの約束」を実行しよう~JRE(ネットセキュリティニュースコラム 2010年5月)
Flash Playerは、Flashコンテンツ(アドビのFlashで作成されたコンテンツ)を再生するプラグインで、ほとんどのメーカー製パソコンに購入時からインストールされています。
4月25日現在の最新版は、「10.2.159.1」(Google Chrome用の最新版は10.2.154.27)。無料で入手できます。
・Flash Player最新版ダウンロードページ(アドビ)
http://get.adobe.com/jp/flashplayer/
Flash PlayerにはInternet Explorer用の「ActiveXコントロール版」と、その他ブラウザ用の「プラグイン版(NPAPI版)」の2種類があり、一方をアップデートしても、もう片方はアップデートされずに古いまま残っています。複数のブラウザを利用している場合は、それぞれのブラウザからアップデートを行わなければなりません。
なお、Google Chromeには、Flash Playerの最新版が組み込まれています。Google Chromeが最新の状態になっていれば、Flash Playerも最新版となっています。
【Flash Playerがインストールされているかどうかを確認する】
(1) [スタート]ボタン→[コントロールパネル]と進み、カテゴリ別表示にします。
(2) [プログラムの追加と削除](XP)または[プログラムのアンインストール](Vistaと7)を開きます。Flash Playerがインストールされていたら、一覧に名前が表示されています。
【現在インストールされているバージョンの確認】
インターネットに接続し、「Flash Playerのバージョンテスト」ページを開くと、バージョンが表示されます。
・Flash Playerのバージョンテストページ(アドビ)
http://www.adobe.com/jp/software/flash/about/
※このバージョンテストページには「Flash Playerのバージョン」の表が掲載されていますが、更新が遅れがちで、新しいバージョンが公開されても古いバージョンのままになっていることがあります。そのため、新しいバージョンが公開されているかどうかを確認したいときは、「Adobe Flash Playerのインストール」ページの情報を参照するようおすすめします。
・Adobe Flash Playerのインストール(アドビ)
http://get.adobe.com/jp/flashplayer/
【アップデートの手順】
(1) 「Adobe Flash Playerのインストール」ページを開き、上の方法で確かめた「現在インストールされているバージョン」と「最新のバージョン」を比較します。新しいバージョンほど番号が大きくなっています。
・Adobe Flash Playerのインストール(アドビ)
http://get.adobe.com/jp/flashplayer/
(2) 新しいバージョンが公開されていたら、[今すぐインストール]をクリックします。
※「Googleツールバー」や「McAfee Security Scan Plus」を同時にインストールする設定になっていることがあります。これらが不要であれば、四角の中のチェックをはずしてから[いますぐインストール]をクリックしましょう。
(3) 以下のページを参考に、ダウンロードとインストールを行います。
<Internet Explorerでは>
・Windows版Flash Playerインストール手順(Internet Explorer)(アドビ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235970.html
<FirefoxなどInternet Explorer以外のブラウザでは>
・Windows版Flash Playerインストール手順(Internet Explorer 以外のブラウザ)(アドビ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235971.html
下の画面で、「□」にチェックを入れないと、インストールすることができません。
また、[終了]ボタンを押すと、インストールが中止されてしまいます。
うまくインストールできない場合は、こちらのページを見ましょう。
・Flash Playerレスキュー! - インストール時に問題が発生したら(アドビ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/826/cpsid_82697.html
(4) Internet ExplorerとFirefoxなど複数のブラウザを使用している場合は、すべてのブラウザでこの作業を行います。
【自動更新の設定】
こちらを参照してください。2010年5月の資料ですが、現在も同じ操作で実行できます。
・初心者必見! 究極の感染対策「6つの約束」を実行しよう~Flash Player(ネットセキュリティニュースコラム 2010年5月)
QuickTimeは、動画、音楽、画像ファイルを再生、表示できるプラグインです。iTunesに組み込まれているので、QuickTimeの脆弱性は iTunesにも影響します。
4月25日現在の最新版は、「7.6.9」。無料で入手できます。
・QuickTime最新版ダウンロードページ(アップル)
http://www.apple.com/jp/quicktime/download/
QuickTimeをインストールするとき、設定をいじらなければ、同時に「Apple Software Update」がインストールされます。「Apple Software Update」はアップデートを行う際や、自動更新の設定を行う際に使用します。
【QuickTimeがインストールされているかどうかを確認する】
・[スタート]ボタン→[コントロールパネル]と進み、クラシック表示(XPとVista)または[大きいアイコン](Windows 7)での表示にします。QuickTimeがインストールされていたら、以下のアイコンが表示されています。
「現在使用しているバージョンの確認」「アップデートの手順」「自動更新の設定」のやり方については、こちらを参照してください。2010年5月の資料ですが、現在も同じ操作で実行できます。
・初心者必見! 究極の感染対策「6つの約束」を実行しよう~QuickTime(ネットセキュリティニュースコラム 2010年5月)
(執筆:現代フォーラム/北野)