インターネットを安全に使うためには、パソコンのOSやアプリケーションのアップデートが欠かせません。アプリケーションの中でも特にマルウェア(ウイルス)感染の原因になることが多いのが、3つのプラグイン「Adobe Reader」、「Adobe Flash Player」、「JRE」です。Webサイトを閲覧しただけで、知らない間にウイルスに感染してしまったという被害が後を絶ちませんが、この3つをアップデートすることで、そのほとんどを防ぐことができます。今回は、「JRE」のアップデート方法を解説します。
なお、OS(Windows、Mac)や他のプラグインのアップデートについては、下欄「インターネットの安全利用に欠かせないアップデート:全体の構成」を参照ください。
<INDEX>
■「JRE」とは
■使用しているバージョンを確認する
■最新版へアップデートする
■「自動更新」を設定する
■「Java」をより安全に使うために
【インターネットの安全利用に欠かせないアップデート:全体の構成】
(1)Windows OS編(2015年9月)
(2)Mac OS X編(2015年10月)
(3)プラグイン編
・アップデート前の基礎知識(2015年11月)
・「Adobe Acrobat Reader DC」「Adobe Reader」を最新版に(2016年1月)
・「Adobe Flash Player」を最新版(20.0.0.306)に(2016年2月)
・(本記事)「JRE」を最新版(Version 8 Update 73 [1.8.0_73])に
<以下本文>
JRE(Java Runtime Environment:Java実行環境)は、オラクルのJava(ジャバ)というプログラミング言語で書かれたプログラムを実行するために必要なソフトウェアです。ブラウザのJavaScriptと名前が似ていますが全くの別もので、ブラウザ内で動くアプリケーション(アプレット)と、単体で動く通常のアプリケーションの両方を作成できます。開発環境も実行環境も無料で配布されており、実行環境のJREは、多くのパソコンにインストールされています。
バージョン7までは無償サポートを終了しており、現在はバージョン8(最新版:Update 73(1.8.0_73))が提供されています。下記のダウンロードページで最新版が無料入手できます。
・JREのダウンロードページ(オラクル)
https://java.com/ja/download/
新しいJREをインストールすると、古いバージョンが削除されずに残ることがあります。システムに複数インストールされている場合には、使用しない旧バージョンをすべてアンインストールしておくことをお勧めします。アンインストールの方法については、オラクルの下記ページをご覧ください。
・Windowsでのアンインストール方法(オラクル)
https://www.java.com/ja/download/help/uninstall_java.xml
・Macでのアンインストール方法(オラクル)
https://www.java.com/ja/download/help/mac_uninstall_java.xml
【注】Google ChromeとWindowss 10のEdgeブラウザでは、JREのプラグインは利用できません。
下記の「Javaソフトウェアのインストール状況の確認」ページを開き、[Javaのバージョン確認]のボタンを押します(図1)。Windows 8.1の場合は、デスクトップモードでアクセスしてください。
・Java ソフトウェアのインストール状況の確認(オラクル)
https://java.com/ja/download/installed.jsp
図1 Javaのバージョン確認ページ
Javaの実行にユーザーの許可を必要とするブラウザの場合には、ブラウザが確認を求めてくるので実行を許可します(図2)。
JREが実行の確認を求めてきたら、それも許可します(図3)。
最新版がインストールされている場合には、「推奨されるJavaがインストールされています」と表示されます(図4)。
インストールされているJREが最新版でないときには、次のような表示になります(図5)。[Javaを今すぐダウンロード]をクリックすると、ダウンロードページでバージョン8の最新版が入手できます。
JREがインストールされていないか、無効になっている場合には、このような表示になります(図6)。そのままページを閉じてください。
JREのバージョン確認とアップデートは、先のインストール状況の確認ページのほかに、パソコンの[Javaコントロール・パネル]で行うこともできます。 Windows Vista/7/8.1は[コントロールパネル]を、Macは[システム環境設定]を開いて[Java]をクリックすると、[Javaコントロール・パネル]が開きます。
[Java]タブの[表示]ボタンを押すと、インストールされているJREのバージョンが確認できます(図7)。Macは[更新]タブでも確認できます。
[Javaコントロール・パネル]の[更新]タブにある[今すぐ更新]ボタンを押すと、Java Updateが自動的に最新版の有無をチェックします(図8)。
アップデートがある場合には、更新利用可能を通知するので、指示に従って最新版に更新してください(図9)。[Javaコントロール・パネル]が更新されることもあるので、閉じておくのをお忘れなく。
図9 [Java Update利用可能]表示で[更新]をクリック
JREには、アップデートの有無を自動的に確認し、ダウンロードする機能があります。この機能は無効にすることもできますが、常に最新のJREが利用できるように有効にしておきましょう(図10)。現在の設定状況は、「Javaコントロール・パネル」の[更新]タブで確認できます。[更新を自動的にチェック]がチェックされていると、定期的に確認が行われ、アップデートがある場合には通知されます(図11)。
図11 更新通知の例(Javaの起動時に更新チェックが行われた場合)
更新確認の頻度は既定で週1回ですが、Windows版では、[詳細]ボタンを押すと頻度を変更できます(図12)。
JRE 8には、Javaの安全性を高めるセキュリティ機能が用意されています。「Javaコントロール・パネル」の[セキュリティ]タブを開き(図13)、より安全性の高い設定にしておきましょう。
(1)ブラウザのJavaを可能なら無効に
[ブラウザでJavaコンテンツを有効にする]のチェックボックスがチェックされていると(初期値)、ブラウザ上でJavaアプレットやJava Web Startアプリケーションを実行します。チェックボックスのチェックを外し[適用]ボタンを押すと、Webブラウザのプラグインがアンインストールされ、アプレットやアプリケーションは、Webブラウザ上で実行できなくなります。
パソコン内で実行するJavaアプリケーションしか使わない方や、ブラウザ上でJavaを利用する頻度の低い方は、チェックボックスのチェックを外し、無効化しておくことをお勧めします。無効化しておくと、サイトの閲覧中にブラウザ経由の脆弱性攻撃を受けることがなくなります。
(2)セキュリティ・レベルを高く
[例外サイトにないアプリケーションのセキュリティ・レベル]は、例外リストにない署名されたアプレットやアプリケーションをWebブラウザ上で実行する際の「ふるまい」を設定します。初期値の[高]は、証明書が失効しているかどうかを確認できない場合も実行しますが、[非常に高]に設定すると確認できるものしか実行しません(図13)。
(3)セキュリティ・プロンプトの復元
ブラウザからJavaアプレットを実行する際には、ユーザーに実行確認を求める「セキュリティ・プロンプト」が表示されます(図14)。
この時、「次回から表示しない」をチェックして実行を許可すると、その後は、そのアプレットを確認なしで実行するようになります。
[セキュリティ・プロンプトの復元]ボタンは、この確認なしで実行するようにした許可を取り消します。このボタンをクリックし、[すべて復元]をクリックすると、確認なしで実行していたアプレットが、再び確認を求めてくるようになります。
(4)更新時に余計なアプリのインストールを防ぐ
JREの更新時には、注意しないと余計なソフトウェアをインストールしてしまったり、ブラウザの設定を変更されてしまったりすることがあります。誤って操作しないように、不要な提案機能を無効にしておきましょう。
「Javaコントロール・パネル」の[詳細]タブを開いてリストを下方にスクロールし、[その他]の項目にある[Javaのインストールまたは更新時にスポンサーのオファーを表示しない]をチェックすると、提案機能が停止します(図15)。
図15 [Javaのインストールまたは更新時にスポンサーのオファーを表示しない]をチェック
(執筆:現代フォーラム/鈴木)