Flash Playerの「10.3」以降で、コントロールパネルから「Flash Player設定マネージャー」を利用できるようになったのをご存じですか? これを使うと、Flash Playerのバージョン確認、アップデートの有無のチェック、アップデート自動チェックの設定が簡単に実行できます。今回のトピックスでは、その方法と、「Adobe Download Manager」(Adobe DLM)を使わずにFlash PlayerとAdobe Readerをダウンロードする方法についてお伝えします。対象はWindowsユーザーです。
<INDEX>
■ これだけは覚えておきたい! Flash Playerをめぐる5つのポイント
■ Flash Playerを最新の状態にする
★ メモ:Flash Player 10とFlash Player 9
■ Flash Player設定マネージャーについて
■ [高度な設定タブ]でできること
■ [今すぐチェック]を実行する
■ 自動チェック(自動通知の間隔の設定
★ メモ:もう1つの設定方法
■ Adobe DLMを使わずにFlash Playerを入手する方法
■ Adobe DLMを使わずにAdobe Readerを入手する方法
■これだけは覚えておきたい! Flash Playerをめぐる5つのポイント
Flash Player設定マネージャーについて説明する前に、Flash Playerについて押さえておきたいポイントを5つご紹介します。このうち(3)と(5)については、Flash Playerが「10.3」以降であればFlash Player設定マネージャーから簡単に実行できるのですが、ここではそれ以前のバージョンを利用している場合にも使える方法を説明します。
(1) パソコンにFlash Playerがインストールされていても、[すべてのプログラム]には表示されない
Flash Playerは単体で起動することができず、スタートボタンから開く[すべてのプログラム]には表示されません。筆者の友人はこれを知らなかったために、インストールがうまくいかないと悩んでいました。しかし実際は、インストールもアップデートも正常に行われていました。
(2) Flash Playerには3つの種類がある
Flash Playerは、使用するブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)別に3つの種類があります。
・Internet Explorer用の「Flash Player ActiveXコントロール」(ActiveX版)
・FirefoxなどInternet Explorer以外のブラウザ用の「Flash Playerプラグイン」(プラグイン版)
・Google Chromeに組み込まれているFlash Player(Google Chrome 5.0.376.86以降)
現在、32ビット版のGoogle Chromeは、最新のFlash Playerを組み込んだ状態で公開されています。Flash Playerの新しいバージョンが利用可能になると、これを組み込んだGoogle Chromeが新たに公開されるのです。そのためGoogle Chromeに関しては、Flash Playerを個別にインストールしたり、アップデートしたりする必要がありません。
・Google Chromeでの使用に関するよくある質問(Flash Player)(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/854/cpsid_85404.html
(3) Flash Playerがインストールされているかどうかは、[プログラムの追加と削除](XP)または、[プログラムのアンインストール](Vistaと7)で確認できる
やり方については、こちらの【Flash Playerがインストールされているかどうかを確認する】を参照してください。
・「アップデート」を実行しよう【プラグイン編】~Flash Playerをアップデートする(コラム 2011年4月)
(4) ActiveX版のFlash Playerを更新しても、プラグイン版のFlash Playerは更新されない。その逆も同じ
これは、特に注意していただきたいポイントです。Internet ExplorerとFirefoxなど複数のブラウザがパソコンにインストールされていたら、高い確率で、ActiveX版、プラグイン版、2つのFlash Playerがインストールされています。この場合、必ず両方の更新作業を行ってください。
(5) 現在インストールされているFlash Playerのバージョンは、「バージョンテストページ」で確認できる
上記(4)の理由から、複数のブラウザを利用している方は、Internet Explorerとそれ以外のブラウザの両方からこのページにアクセスして、バージョンを確認してください。
・Flash Playerのバージョンテストページ(アドビ)
http://www.adobe.com/jp/software/flash/about/
上述の(3)の方法を使ってFlash Playerがパソコンにインストールされていることを確認したら、(5)の方法でバージョンを確かめてみましょう。7月25日現在、最新版のバージョンは「10.3.181.34」です。これ以外のバージョンだったら、最新版に更新しましょう。最新版はこちらからダウンロードできます。
・Flash Playerダウンロードページ(アドビシステムズ)
http://get.adobe.com/jp/flashplayer/
ダウンロードとインストールのやり方については、以下の資料が参考になります
・Windows版Flash Playerインストール手順(Internet Explorer 9)(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235970.html
・Windows版Flash Playerインストール手順(Internet Explorer 8)(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/909/cpsid_90986.html
・Firefox での Flash Player の再インストール(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235943.html#main_firefox_0
・その他のブラウザでの Flash Player の再インストール(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235943.html#main_other_0
これらの資料では、古いバージョンのFlash Playerを削除してから新しいバージョンを入れることが推奨されています。(参考までに、筆者はこれまで、古いバージョンを削除していない状態で新しいバージョンをインストールしてきましたが、トラブルが発生したことはありません。)
インストールがうまくいかない場合は、こちらのページを参照してください。
・Flash Playerレスキュー! - インストールができない(Windows)(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235943.html
特に、図1の段階で「使用許諾」のチェックを入れることに気付かず、終了ボタンを押してしまってインストールが完了しない人が多いようです。
★メモ:Flash Player 10とFlash Player 9
Flash Player 10は、Windows XP以降のパソコンにのみインストールできます。
Flash Player 9はWindows 2000、Me、98などでも利用できましたが、2011年2月にサポートが終了しました。
・Flash Player 9 のサポート終了(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/234/234558.html
■Flash Player設定マネージャーについて
Flash Playerにはもともと、インターネットにつないだ状態でのみブラウザから利用できる「設定マネージャー」が用意されていました。しかし、Flash Player 10.3以降では、ネットにつながっていなくても、Windowsのコントロールパネルから「Flash Playerの設定マネージャー」を利用できるようになりました。コントロールパネルを「クラシック表示」(XPとVista)、または「大きいアイコン」での表示(Windows 7)にすると、Flash Playerのアイコンがすぐに見つかります。アイコンをクリックして、Flash Player設定マネージャーを開いてみましょう。
「クラシック表示」「大きいアイコン」がわからない方は、こちらをどうぞ。
・「アップデート」を実行しよう【Windows OS編】~アップデートの前に~コントロールパネルの開き方と表示の切り替え方( コラム2011年3月)
Flash Player設定マネージャーを開いたら、[高度な設定]タブをクリックしてください。このタブで、以下のことを実行できます。
・.現在インストールされているFlash Playerのバージョンを確認できる。
・アップデートの自動チェックを行うかどうか選択できる。
・[今すぐチェック]ボタンを使って、現在インストールされているバージョンが最新版かどうか確認できる。
[今すぐチェック]ボタンを押すと、「Flash Playerのバージョン確認ページ」が開きます。
現在使用中のバージョンと、最新バージョンの表が表示されていますので、両方を比べましょう。新しいバージョンが公開されていたら「Flash Playerダウンロードセンター」へのリンクをクリックして、最新版に更新してください。
なお、[高度な設定タブ]で[今すぐチェック]ボタンを押すと、既定のブラウザとして設定しているブラウザが起動します。筆者はFirefoxを既定のブラウザに指定していますので、ダウンロードページからダウンロードできるファイルは「プラグイン版」となります。
この場合、「ActiveX版」を入手するには、[オペレーティングシステムまたはブラウザの変更]をクリックします。
開いた画面の手順1でWindowsを、手順2でInternet Explorerと書かれている方を選択し、[今すぐダウンロード]ボタンを押すと、ActiveX版をダウンロードできます。
Internet Explorerを既定のブラウザにしている場合は、同様に手順2で[Other Browsers]を選べば「プラグイン版」のファイルをダウンロードできます。
Flash Playerでは、アップデートの自動チェックが行われる間隔があらかじめ「7日間ごと」と設定されています。これを変更したいときは、ブラウザから利用する「グローバル通知設定パネル」を使います。ただし、7日間というのは最も短い間隔なので、セキュリティの観点から、これを変更しないようお勧めします。
・グローバル通知設定パネル
http://www.macromedia.com/support/documentation/jp/flashplayer/help/settings_manager05.html
★メモ:もう1つの設定方法
パソコンの操作に慣れた方なら、「mms.cfg」ファイルで自動チェックの間隔をコントロールできます。以下のページに要領が記載されています。
・IT管理:Flash Player自動更新の設定(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/228/228473.html
■Adobe DMLを使わずにFlash Playerを入手する方法
「Flash Playerダウンロードページ」をよく見ると、「ソフトウェアをシームレスにインストールしていただくために、Adobe Download Manager(Adobe DLM)が使用される場合があります。」と書いてあります。Adobe DMLは、Flash Player、Adobe Reader、その他Adobe製品の体験版などをダウンロードする際に使われるプログラムです。Adobeの情報によると、DMLは一度きりの使用を目的にしており、使用直後の再起動時に、コンピューター上から削除されるよう設計されています。
Flash PlayerやAdobe Readerをインストールする際、環境によっては、これがうまく働かずインストールに失敗することがあります。
また、過去に脆弱性が見つかった(現在は修正済み)ことや、余計なプログラムをインストールされるのはいやだということから、Adobe DMLを使いたくないという人もいます。
・Adobe Download Manager用セキュリティアップデート公開(アドビシステムズ)
http://www.adobe.com/jp/support/security/bulletins/apsb10-08.html
そんなときは、下のページの「Flash Player のスタンドアロンインストーラをダウンロードします」とされている箇所にある、スタンドアロンインストーラを使うといいでしょう。Adobe DMLを使わずにインストールを実行できます。
・Flash Player レスキュー! - インストール時に問題が発生したら(アドビシステムズ)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/826/cpsid_82697.html
■Adobe DMLを使わずにAdobe Readerを入手する方法
Adobe DMLを使わずにAdobe Readerをインストールしたいときは、AdobeのFTPサイトからファイルをダウンロードするといいでしょう。
・AdobeのFTPサイト(アドビシステムズ)
ftp://ftp.adobe.com/pub/adobe/reader/win/
最新版の「Adobe Reader X(10.1.0)」をダウンロードするには、[10.x]→[10.1.0]→[ja_JP]と進みます。exeファイルとmsiファイルの両方が用意されていますが、どちらを選んだらいいかわからない方は、exeファイルを使うといいでしょう。
(執筆:現代フォーラム/北野)