アップルは17日、モバイル端末向けOSの最新版「iOS 9」を公開した。iTunesの最新版「12.3」も公開されている。
■「iOS 9」
1年ぶりのメジャーアップデートとなるiOS 9では、多数の新機能をサポートしたほか、45モジュールで100件以上の脆弱性が修正されている。修正された脆弱性の中には、悪用されるとコード実行につながるおそれのある危険な問題が多数含まれている。レンダリングエンジン「WebKit」にからむメモリー関係の問題も複数あり、悪用されると、Webサイトの閲覧中にウイルスに感染してしまうおそれがある。
アップデートの対象となるのは、iPhone 4s以降、iPad 2以降、iPad mini、iPod touch第5世代以降。最新版への更新は、端末の「設定」アイコンから「一般」→「ソフトウェア・アップデート」と進むか、端末をパソコンに接続し、iTunes経由で行う。
深刻な脆弱性が多数修正されていること、および正式なアナウンスはないものの、過去の例からみてiOS 8の更新が近いうちに止まることから、iOS 9への移行は必須だ。ただし、利用しているアプリなどの対応状況を確認してから更新を行っていただきたい。
特に注意が必要なのは、MVNOサービスの利用者。いわゆる「格安SIM」を挿して端末を使っている場合だ。iOS 9へ更新する前に、必ずサービス提供元のホームページなどで対応状況を確認していただきたい。たとえばソネットのサービス「So-net モバイル LTE」「PLAY SIM」「Prepaid LTE SIM」を利用している方なら、iOS 9へ更新する前にAPN構成プロファイルの再インストールを行う必要がある。詳しくは下記の【関連URL】をご覧いただきたい。
・About the security content of iOS 9[英文](アップル)
https://support.apple.com/ja-jp/HT205212
・iOS 9(アップル)
http://www.apple.com/jp/ios/
■「iTunes 12.3」
アップデートの対象は OS X 10.7.5以降とWindows 7以降。脆弱性66件が修正されている。うち65件はコード実行につながるおそれのある深刻なもので、Windows版に影響する。最新版への更新は、iTunesのヘルプメニューにある「更新プログラムを確認」、または同梱の「Apple Software Update」で行えるほか、同社のサイトからダウンロードすることもできる。
・About the security content of iTunes 12.3[英文](アップル)
https://support.apple.com/ja-jp/HT205221
(2015/09/17 ネットセキュリティニュース)