消費者庁は13日、「在宅スマホ副業で7日で20万円稼げる人続出中!」などとうたい、システム使用料として多額の費用を支払わせていた事業者「トップ」(東京都渋谷区)について、注意を呼びかけた。
同庁の発表や報道によると、トップはSNSのInstagram上に宣伝用のアカウントを作成。興味をもって連絡してきた人に「在宅スマホ副業で7日で20万円稼げる人続出中!」「10名様限定追加募集!」「今なら無料モニターを体験できます」などとメッセージを送り、LINEの友だち登録を促していた。
■「無料モニター」を騙しの道具に、約9000万円売り上げ
「無料モニター」とは、同社が運用する、Instagramに写真を自動投稿して集客するシステムを、2時間使用できるというもの。投稿を見て連絡してきた人に対し、LINEを通じて情報商材を送信すると、「1件につき報酬が5000円発生する」と説明していた。2時間のうちに複数の人から連絡がくるため(実際はサクラ)、簡単に数万円を稼げると思わせるような仕組みになっていた。
●モニター終了後に高額使用料提示、「すぐ元が取れる」と説明
モニター期間が終了すると、発生した報酬の受け取り方や情報商材の渡し方などを「電話で説明したい」と、同社からLINEメッセージが届く。同社はこの電話で初めて、自動システムを使うには20万円が必要だと明かし、「10日間で元が取れる」「月に100万円稼ぐ人もいる」などと執拗に勧誘していた。
●若い女性や主婦、大学生、会社員の“成功体験談”多数掲載
同社はサイト上で、若い女性の写真を多数使い、子育てがあり働けない、旦那に内緒で貯金したい、毎月カツカツで余裕がないといった不満を解決できるとして、「超即金でプチリッチ生活をスタート!」などと誘っていた。また、「自宅で仕事できるのは嬉しいです!」という主婦、「お金も欲しいけど遊ぶ時間もほしい!」という大学生、「仕事をつづけながら両立できます!」という会社員の、それぞれ数十万円を稼いだという体験談を掲載していた。
消費者庁によると、このビジネスで収益を上げた人は一人もいなかった。また、同社サイトに掲載されていた成功事例や体験談等も根拠のないものだった。報道によると、トップは同庁に対し、約9000万円の売り上げがあったと話しているという。
■「反響の大きさアピール」や「契約時の高額支払い」に注意
同庁は、多額のお金が必要になることをあらかじめ明示せず、無料モニターや研修を通じて反響が大きいことを消費者にアピールし、契約時になって突然、多額のお金の支払いを求める事業者には十分注意してほしいとして、お金を支払う前に費用の内訳やその適否を書面でしっかり確認してほしいと呼びかけている。
●SNSに「副業で儲けている」と投稿し誘引するケースも
さらに、SNSなどに、あたかも自分自身が副業で利益を上げているような投稿をし、興味を持った消費者を広告用のサイトに誘導する事業者も存在するので、副業に関する個人の投稿にも十分注意してほしいとしている。
また、不安な点や不審な点、困ったことなどがあれば、最寄りの消費生活センター(電話番号「188」番)や警察相談電話(短縮ダイヤル「#9110」番)に相談するよう呼びかけている。
(2019/02/15 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・「在宅スマホ副業で7日で20万円稼げる人続出中!」などとうたい、多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起[PDF](消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/release/2018/pdf/release_2018_190213_0001.pdf