三菱重工業(本社・東京都港区)は30日、発電所の定期検査を請け負っている同社高砂製作所(兵庫県高砂市)の協力会社「非破壊検査」(本社・大阪市西区)の技術者が所有するパソコンがWinny(ウィニー)ウイルスに感染し、発電所の検査関連情報が流出していたと発表した。
同社によると、全国46か所の発電所用のタービンや水車等に関する検査関連情報、約700MBで、今年4月末から5月初めまでの間、Winnyネットワーク上に公開されていた。タービンの一部には、北海道電力泊発電所(北海道泊村)、関西電力大飯発電所(福井県大飯町)、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の3つの原子力発電所の情報も含まれているが、大半はデータ未記入の検査・点検関係の記録フォーム。一部、設備の部品写真や図面などもあるが、原子炉や核物質防護に関する情報はないという。
同社は今年6月、三菱電機子会社の原発情報がWinnyネットに流出した事件を受けて、「会社のパソコンにはWinny等の業務上不要なソフトは一切導入しない」「個人のパソコンを会社業務に使用しない」というWinnyウイルス感染情報流出防止策を実施しているが、今後さらに強化再徹底を図り、再発防止に全力で取り組むとしている。
(2005/08/31 ネットセキュリティニュース)
■発電プラント等に関する検査関連情報流出について(三菱重工業)
http://www.mhi-ir.jp/sp_news/050830_winny/index.html
■三菱重工業株式会社関連会社の協力会社からの泊発電所に係る情報流出について(北海道電力)
http://www.hepco.co.jp/press/h17/0830a.html
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