マイクロソフトは4日、同社が同日開催したセキュリティ関連イベント「SECURITY SUMMIT 2005 Fall」の席上で、今月12日に公開を予定しているウイルス駆除ツール「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」の最新版で、ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)経由で感染する「Antinny(アンティニー)」に対応することを明らかにした。
Antinnyが初めて発見されたのは一昨年の8月だが、その後次々に悪質な亜種が登場。とくに昨年3月に見つかった暴露型は、パソコンに保存されているファイルやスクリーンショット(パソコン画面を画像ファイルに記録したもの)をWinnyネットワークに公開してしまうため、企業や官公庁、自治体などで個人情報や機密情報などの漏えいが後を断たず大きな問題になっている。
「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」はこれまで、同社の製品を直接攻撃するものを中心に対応してきたが、今回は日本特有のセキュリティの問題に対処すべく、同社以外の特定のアプリケーションに影響を及ぼすマルウエアに初めて対応したとしている。
同ツールの最新版は今月12日より、下記HPのほか「Microsoft Update」「ダウンロードセンター」で提供される。
(2005/10/06 ネットセキュリティニュース)
■悪意のあるソフトウェアの削除ツール(マイクロソフト)
http://www.microsoft.com/japan/security/malwareremove/default.mspx
■セキュリティ関連ニュース【過去半年のWinnyウイルス事件】
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・ファイル交換ソフト「Winny」で診療記録がネットに流出(2005/04/04)
・極悪非道のWinnyウイルス~ネットに流された個人情報たち(newstopics:2005/0610)