公正取引委員会は27日、自走機能が付いた「原動機付自転車」を補助モーター付きの「電動アシスト自転車」と誤認するような表示をし、インターネットのホームページやオークションなどで販売するのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、アルザン(名古屋市千種区)とアクスト(東京都新宿区)の2社に対し排除命令を出した。
公取委によると、2社は2004年から「自走機能」と「アシスト走行」や「ペダル走行」などを切り替えることのできる中国製「電動自転車」を、自転車または原動機付自転車として公道を走れるかのように表示し販売していた。しかし実際に2社が販売していた製品は、原動機付自転車に該当するものであり、販売状態では道路運送車両法に規定する保安基準を満たしていないため、自転車としても原動機付自転車としても公道を走行することができないものだったという。
排除命令書は、2社に対して一般消費者に誤認される表示を行っていたことの公示と、今後同様の表示を行わないことを指示している。
【解説】
ペダルをこがなくても走る自走機能(フル電動走行)が付いた製品は、自走機能の使用の有無にかかわらず、50ccのバイク等と同じ第一種原動機付自転車に分類される。見た目は、こぐ力を補助する機能が付いた電動アシスト自転車とそっくりだが、公道を走るためには(押して歩く以外は)、方向指示器や尾灯、ナンバープレートなどを備えたうえで、ヘルメットを着用し免許証を携帯しなければならない。オンラインショップやオークションでは、同種の製品を同様な表示や紛らわしい表示、あるいは表示なしで販売しているケースが多数見受けられる。購入を検討している方は注意されたい。
(2005/10/28 ネットセキュリティニュース)
■「電動自転車」と称する原動機付自転車の販売業者2社に対する排除命令について[PDF](公正取引委員会)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/05.october/051027.pdf
■「ペダル付きの原動機付自転車」の取扱いについて(警察庁)
http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku44/pedal.pdf
■電動アシスト自転車(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20050406_1.html