全国で国勢調査員を装った人物による調査票の詐取などが相次いでいる。偽りの調査票や電話を使った個人情報の聞き取り、なかには金銭を要求する悪質なケースもあり、総務省や各自治体では注意を呼びかけている。
●熊本県:電話による聞き取り、搾取未遂
報道によると9月20日ごろ、山都町で町民宅に「福岡からの国勢調査」を名乗る電話があり、個人情報を聞かれたという。また八代市で9月21日ごろ、30代半ばの2人組の男が市民宅を訪問して国勢調査員と名乗り、履歴書のような用紙に個人情報の記入を求めた。不審に思った家の男性が「調査票の回収は10月に入ってからでは」と問い返して記入を拒否したため未遂に終わったという。
●愛知県:搾取のほか現金を要求する例も発生
報道によると9月30日、日進市で男が市民宅を訪問し「調査票の回収にきた」と言って調査票を詐取した。また1日、名古屋市の女性宅に男が訪れ、身分証などを提示せずに家族2人の個人情報を記入した調査票を持ち去った。約30分後に本物の調査員が訪問して詐取されたことが明らかになったという。同市中区と港区でも男が訪問し同様の手口で調査票を詐取しようとしたが、未記入や世帯主不在により未遂に終わったという。3日には、名古屋市天白区で2人組の男が男性宅を訪問、国勢調査費として3500円の支払いを要求したが、男性が調査員証の提示を求めると立ち去ったという。
愛知県のまとめによると4日には、同県内だけで7件の詐取と10件の詐取未遂が発生していることが明らかになった。
●神奈川県:調査票の搾取相次ぐ
報道によると2日、横浜市鶴見区で国勢調査員を名乗る60歳前後の男が「調査票をもらいに来た」とアパートを訪問し、調査票1通を持ち去った。担当調査員が同日に訪ねて被害が発覚したという。同日、宮前区では女が一人暮らしの男性宅を訪問して調査票を詐取。厚木市では3日、腕章のようなものをつけた中年男が国勢調査員を名乗って男性宅を訪問し、2人分の個人情報を記入した調査票を詐取したという。
このほか、鹿児島県、滋賀県、京都府、福島県など全国各地で、搾取や搾取未遂の事例が報告されている。総務省では注意事項として、電話による調査は行っておらず、調査員は「国勢調査員証」を携帯して訪問すること、クレジットカード番号や取引先銀行を聞くことはないこと等をあげている。
(2005/10/04 ネットセキュリティニュース)
■国勢調査を装った悪質な調査にご注意を!(総務省)
http://www.stat.go.jp/info/guide/kokusei/index.htm
■平成17年国勢調査(京都市)
http://www.city.kyoto.jp/sogo/toukei/h17_census_koho/index.html