今年8月に公布された「預金者保護法」が来年2月10日に施行されるが、大手銀行は施行に先駆けてカード規定を改め、法律の内容をふまえた被害補償を開始した。
住友信託銀は11日、りそなホールディングスは14日、UFJ銀行、東京三菱銀行、みずほ銀行、みずほ信託銀行は21日に、それぞれキャッシュカード規定を改定、同日以降はこれに基づいた補償を行う。
「預金者保護法」は、偽造・盗難カードによる不正預金引き出しの被害補償を金融機関に義務づけるもので、全銀協がこの法律にのっとった補償ルールを定め、各行はこのルールに沿って規定を改定している。基本は全額補償だが、預金者に「重大な過失」があれば補償対象外となり、「過失」があれば補償減額の対象となる。過失が重大か否かは、預金者がキャッシュカードや暗証番号をきちんと管理していたかどうか、その内容が問われる。
各行は補償の前倒し実施に伴い、カード管理の注意喚起とともに、相談窓口の設置、休眠カードの使用停止、偽造困難なICカード発行など、さまざまなセキュリティ強化策を打ち出し、被害の防止と拡大抑制に備えている。
(2005/11/22 ネットセキュリティニュース)
■長期間ご利用になっていないキャッシュカード等の取引制限ならびに偽造・盗難キャッシュカード被害に対する補償について(住友信託銀行)
http://www.sumitomotrust.co.jp/IR/company/jp/pdf/nr2005/051111.pdf
■偽造・盗難キャッシュカード被害に対する補償について[PDF](りそなホールディングス)
http://www.resona-hd.co.jp/ir/pdf/i_01/171108_1a.pdf
■偽造・盗難キャッシュカード被害への対応について[PDF](UFJ銀行)
http://www.ufjbank.co.jp/news/investor/20051110.pdf
■偽造・盗難キャッシュカード被害への対応について[PDF](東京三菱銀行)
http://www.btm.co.jp/press/news2005/pdf/news242.pdf
■盗難キャッシュカード被害に対する補償開始について[PDF](みずほ信託銀行)
http://www.mizuho-tb.co.jp/company/release/pdf/051107.pdf
■盗難キャッシュカード被害に対する補償開始について[PDF](みずほ銀行)
http://www.mizuhobank.co.jp/company/release/2005/pdf/news051107.pdf
■セキュリティ関連ニュース
・全銀協、偽造・盗難カードの補償ルールを策定(2005/10/13)
・「預金者保護法」成立、偽造・盗難カード被害は金融機関に補償義務(2005/08/04)