ネットバンキングでスパイウェアによる不正振込被害が起きていた事件で、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは26日、元IT関連会社社員で住所不定の容疑者(31歳)を、電子計算機使用詐欺と不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕したと発表した。この事件では、すでに千葉市在住の無職の男(34歳)が同容疑で逮捕・起訴されており、今回逮捕された元会社員は共犯として指名手配されていた。
調べでは、2人は共謀して昨年6月に川崎市内の会社に苦情を装ったメールを送付し、添付ファイルを開かせてスパイウェアに感染させ、ジャパンネット銀行のIDとパスワードを入手。7月1日に無線LANを通じて不正アクセスし、同社の口座から約21万円を不正送金し、騙し取った疑い。
同様の手口で、イーバンク銀行、みずほ銀行、大川信用金庫(福岡県大川市)の3金融機関の複数の口座から約1,140万円が不正送金される被害が起きている。また、千葉銀行では同行をかたって送られてきたCD-ROMを実行した顧客の口座から、数百万円が他の口座に振り込まれる事件が発生。北陸銀行、城北信用金庫の顧客にもスパイウェアの入ったCD-ROMが送り付けられている。容疑者らは、これら一連の犯行についても認める供述をしているといい、警視庁は犯罪の全容解明に向けて裏づけを進めている。
(2006/01/27 ネットセキュリティニュース)
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