愛媛県の県議会議員、篠原実氏(56歳)のパソコンから有権者名簿や後援会名簿など約3万名分の個人情報がインターネット上に流出していたことが、25日までに明らかになった。パソコンは県議の自宅兼後援会事務所で使っていたもので、Winny(ウィニー)のウイルス感染による流出とみられる。
県議は四国中央市選出で当選5回、自民党愛媛県連総務会長を務める。流出した個人情報は、県議の選挙区である川之江地区(旧川之江市、四国中央市に合併)の有権者名簿約3万名分、後援会名簿約1,200名分、バレエスクールの名簿165名分。名簿には氏名と住所が記され、後援会名簿には電話番号も記載されていた。このほか、教員採用試験や地元銀行の就職に関し、県教委幹部や銀行頭取に「口利き」をしたとみられる文書も流出しており、当該文書ファイルには支援者子弟の氏名や出身大学等も記されている。
Winnyのウイルス感染により、医療情報、捜査情報、原発の技術資料などさまざまな重要情報が流出しているが、個人情報の流出事故では、昨年起きた秋田県湯沢市の市民1万名以上の名簿流出が最大だった。今回の3万名に及ぶ流出はそれを大きく上回り、Winnyによる個人情報流出としては過去最大となる。
(2006/01/26 ネットセキュリティニュース)
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