インターネットオークションを悪用した犯罪が相変わらず多発している。以下、ここ半月ほどの間に明らかになった犯罪5件についてお伝えする。
■ 違法品販売:韓国ドラマの違法コピーDVD、人気ブランド偽バッグで荒稼ぎ
・警視庁生活経済課と東京空港署は1月26日までに、韓国ドラマ作品を違法コピーしたDVD-Rをネットオークションで販売したとして、大阪府和泉市の会社員の男(32歳)を著作権法違反容疑で逮捕した。ネットオークションで購入した韓国ドラマの海賊版を自宅のパソコンでコピー、2004年12月から約600人に合計280万円分を販売したという。
・警察庁と東京税関の共同捜査本部は2日までに、人気ブランド「PORTER(ポーター)」の偽バッグを販売目的で所持していたとして無職の男(40歳)とその母親(65歳)を商標法違反(販売目的所持など)の現行犯で逮捕した。2人は韓国から偽物を輸入し、ネットオークションで販売していた。2004年から計約7,200人に総額約2,500万円分を販売したという。
■ 空売りで現金搾取:ブランドバッグやMDプレーヤーを偽出品、送品せず
・茨城県土浦署は1月23日までに住所不定の無職の男(33歳)と女(23歳)、千葉県柏市の会社員(27歳)の3人を詐欺容疑などで書類送検した。無職の男女はネットオークションで高級ブランドバッグを送品するように見せかけ、2004年4月19日から22日の間に18人から合計150万円を詐取した疑い。また、2004年7月に3人で共謀して振り込み用口座を開設した際、埼玉県の男性の住民異動届けを偽造し提出した疑い。
・新潟県警三条署は1月24日、千葉県市原市のアルバイトの少女(15歳)を詐欺の疑いで逮捕した。少女は昨年8月15日、MDプレーヤーなど3点について虚偽の出品情報を携帯電話のオークションサイトに掲示。落札者から5,500円を詐取したという。
■ 不正アクセス:不正取得したID/PWでオークション詐欺約500万円
・京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は1月24日、不正アクセス禁止法違反の疑いで神奈川県横浜市の無職の男(42歳)を逮捕した。2004年12月6日、広島市の女性のIDとパスワードを不正に取得し、ネットオークションサイトにアクセスしたという。2004年8月には、不正に取得した京都市の男性のIDなどを使用してカーナビ1点について虚偽の出品情報をネットオークションに掲示、落札者から代金2万5000円を詐取した疑い。府警は同容疑者が虚偽の出品約70点で約500万円を詐取したと見て、余罪を追及している。
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経済産業省は昨年8月、ネットオークションに関する調査を行い、安心できる決済方法として、買い手の多くが「代引き」を支持していることを明らかにした。同省は今月2日にネット取引のルール作りの行動計画概要を発表、オークション事業者に対して今後、一定金額以上の取引には前払い以外の決済方法を提供するよう求める方針を示している。
(2006/02/10 ネットセキュリティニュース)