Winnyのウイルス感染による情報流出のニュースが毎日のように流れている。編集部が把握しているだけでも今月だけですでに40件(28日現在)もの流出事故が報道された。これまでにない異常な数だが、報道されている流出事故には、Winnyのウイルス感染による情報流出が今ほど話題にならなかった頃のものが再発掘されるケースも目立つ。一度流出してしまうと、消えることなくえんえんとネットを流れ続けるWinny情報流出の怖さがそこにある。
■ヤフーと楽天の顧客情報8,228件が流出
Yahoo!ショッピングと楽天にワイン販売店「カーブ・ド・ヴァン萬屋」を出店している萬屋商店(東京都杉並区)のパソコンから、8,228件の顧客情報が流出していたことが24日、明らかになった。同店などによると、流出したのはYahoo!ショッピング8,228件、楽天5件の顧客情報。いずれも、2004年3月から2005年9月に顧客宛てに送信した注文に対する確認メールの控えで、注文者や届け先の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、購入情報などが記載。クレジットカード番号や有効期限は含まれていない。流出データは、昨年末頃ネット掲示板などで報告されていたものが、今月23日に通報されたもの。調査の結果、同店経営者の身内が昨年の一時期、個人的な目的で社用のパソコンにWinnyをインストールし利用していたことが判明。その間にウイルスに感染し当時のデータが流出していたという。
・Yahoo!ショッピング加盟店の受注情報の流出について(ヤフー)
http://pr.yahoo.co.jp/release/2006/0324a.html
・「カーブドヴァン萬屋」の注文確認メール5件の流出についてのお知らせ(楽天市場)
http://www.rakuten.co.jp/com/faq/information/20060324.html
・「Winny」による受注情報などの流出について(カーヴ・ド・ヴァン萬屋)
http://store.yahoo.co.jp/yorozuya/index.html
http://www.rakuten.co.jp/yorozuya/index.html
■トレンドマイクロの営業資料が流出
セキュリティ対策ソフトのトレンドマイクロは27日、同社社員(昨年退職)の私有パソコンから内部資料が流出していたことを明らかにした。流出したのは、営業用の資料や顧客との打ち合わせメモなどで、個人情報は含まれていない。同社によると、当該社員の私有パソコンがウイルスに感染し、保存されていた当時のデータがWinnyネットワーク上に流出したという。同社では、社員に自社のウイルス対策ソフトを提供していたが、当該社員の私有パソコンにはインストールされていなかった。流出したデータは、昨年3月末に掲示板等で一時話題になっており、同社も同時期に流出を確認。顧客には個別に事情を説明し謝罪したが、公表はしていなかった。
・トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/home/
■福井市営葬祭場の火葬者情報10,285名分が流出
今月20日から22日にかけ複数の報道機関が、昨年流出した福井市営葬祭場の火葬者情報について報道している。報道などによると、流出したのは2000年10月から2005年5月にかけ、市営葬祭場「聖苑」で火葬された10,285名分の苗字、住所、性別など。葬祭場の業務を委託していた民間会社の社員がWinnyを使用し、昨年ウイルスに感染し流出したという。市では、今年1月に通報を受けて流出の事実を把握していたが、公表はしていなかった。
・福井市
http://www.city.fukui.lg.jp/
(2006/03/28 ネットセキュリティニュース)