医薬品メーカーの日本ケミファでは医療関係者の個人情報が、日本ジャグリング協会では会員情報が、三菱重工高砂研究所では「社外秘」の内部資料が、内部関係者の私有パソコンにインストールされたWinny(ウィニー)を通じて、インターネット上に流出している。
■日本ケミファ:社員の私有PCが感染、大分の医療関係者2,910名の個人情報流出
医療用医薬品メーカーの日本ケミファ(本社:東京都千代田区)は17日、社員の私有パソコンが流出元となり、大分県内の医療関係者2,910名分の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。情報内容は氏名、生年月日、住所、電話番号等。同県を担当する社員が自宅で使っていたパソコンがWinnyのウイルスに感染し、保存していた情報が流出したもの。同社は、該当顧客へは個別に連絡し、お詫びと説明をしているという。
・お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](日本ケミファ)
http://www.chemiphar.co.jp/nc/news/20060317.pdf
■日本ジャグリング協会:旧スタッフの私有PCが感染、のべ225名の会員情報流出
ジャグリングの普及・振興活動を行うNPO法人、日本ジャグリング協会(事務所:東京都板橋区)は15日、同会旧スタッフの私有パソコンが流出元となり、協会員の個人情報のべ225名分が流出したと発表した。2001年の同会会員名簿113名分と、2001年に名古屋で開催されたイベント参加者名簿112名分の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど。両名簿の氏名は大部分が重複する。これらのデータは3月1日付けでインターネット上に公開され、同会は12日に連絡を受けて気づいたという。調査の結果、2001年当時の同会旧スタッフが情報を保存していたパソコンが今年に入ってウイルスに感染し、データが流出した可能性が高いとしている。同会は現在、個人情報ファイルはすべて暗号化するなどの対策を進めているという。
・Winnyによる協会会員情報流出の件について(日本ジャグリング協会)
http://www.juggling.jp/problem.html
■三菱重工高砂研究所:「社外秘」内部資料流出
三菱重工業(本社:東京都港区)の高砂研究所の内部資料がインターネット上に流出していることが3月上旬までにわかった。測定データやグラフ、社外秘と書かれた文書、GEなどライバル社の分析、フロリダ駐在中の勤務日誌などのファイル流出が確認されている。同社では昨年8月、高砂製作所の協力会社に勤務する技術者の私有パソコンがウイルスに感染し、原子力発電所の検査情報等が流出する事故が起きており、Winnyウイルス感染情報流出防止策の強化徹底をはかると発表していた。
・三菱重工高砂研究所
http://www.mhi.co.jp/trdc/main.html
【セキュリティ関連ニュース】
・三菱重工業、Winnyのウイルス感染で原発情報流出(2005/08/31)
(2006/03/22 ネットセキュリティニュース)