Winny(ウィニー)のウイルス感染による情報流出が続いている。西日本プラント工業からは九電の原発情報が、大手学習塾・栄光ゼミナールからは生徒らの個人情報1,222名分が流出。三井造船では、下請会社の通訳担当社員から米軍三沢基地の通行証関連データが流出した。
■西日本プラント工業:社員の私有PCが感染、九電の原発情報など流出
九州電力の子会社で、発電所の建設や保守を請け負う西日本プラント工業(福岡市中央区)は17日、同社社員の私有パソコンがWinnyのウイルスに感染し、九電の原発や火力発電に関する資料、社員の個人情報などが流出していたと発表した。流出情報は、2か所の原子力発電所(玄海、川内)と、6か所の火力発電所の設計に関する業務資料で、同社と関連会社社員の氏名、役職名など個人情報568名分も含まれている。同社総務部によると、14日に原子力安全・保安院から九電に連絡があり、流出が発覚。同社で精査をした結果、同社建設部に所属する男性社員が私有パソコンに保存していたデータが、Winnyのウイルス感染により流出したことを確認したという。
・西日本プラント工業のHP
http://www.npc21.jp/
・九電に対する情報管理の徹底に関する要請文の発出について(原子力安全・保安院)
http://www.meti.go.jp/press/20060417003/youseibun-set.pdf
■栄光ゼミナール:非常勤講師の私有PCが感染、生徒ら個人情報1,222名分流出
首都圏約300か所に学習塾「栄光ゼミナール」を展開する栄光(本社:さいたま市)は17日、同社の非常勤講師の私有パソコンがWinnyのウイルスに感染し、顧客らの個人情報1,222名分が流出したと発表した。流出したのは生徒募集用の名簿から1,207名分、栄光ゼミナール福生校塾生の学習経過の記録14名分(氏名、学年、授業日等)、勤務の記録1名分。生徒募集用の名簿には、2003年11月に使用した、あきる野市と福生市の一部地域の、当時中学2年、3年生の氏名、生年月日、保護者氏名、住所が記載されており、このうち252名には電話番号も含まれていた。当該講師は、フロッピーディスクに当該データが残っていることに気づかないまま、私有パソコンで再使用していたという。同社は、情報が流出した関係者専用の照会窓口を設置した。
・お客様情報等の流出に関するお詫びとお知らせ(栄光ゼミナール)
http://www.eikoh.co.jp/documents/2006-4-17.pdf
■三井造船:下請会社の通訳社員から、米軍三沢基地の通行証関連データ流出
在日米軍三沢基地(青森県三沢市)の通行証に関するデータがWinnyのネットワーク上に流出していることが、13日までに明らかになった。同基地の修繕工事を受注した三井造船(本社:東京都中央区)が、通行証取得のために米軍に提出したデータが流出したもの。同社広報によると情報内容は、基地に出入りする工事会社の従業員氏名など個人情報109名分、工事車両77台のリストのほか、「工事日報」「新規入場者の教育実施報告書」が含まれていた。同社が工事を発注した地元の建設会社に勤務する通訳担当社員が、当該データを保存したフロッピーディスクを自宅に持ち帰り、私有パソコンに保存して作業していた。3月下旬以降にWinnyを通じて流出したものとみられる。
・三井造船
http://www.mes.co.jp/
(2006/04/18 ネットセキュリティニュース)