Winny(ウィニー)のネットワーク上で、流出元も用途も不明な12万7,000名分の名簿が発見された。これまでWinnyによる個人情報流出で最大規模とされた愛媛県議の流出名簿3万名分を大きく上回る。北海道武蔵女子短大では受験生1,072名分の合否結果が、日本StorageTekでは個人情報を含む社内文書が流出している。
■流出元不明:約12万7,000名分の名簿流出、住所は全国版
Winny上で流出元不明の名簿約12万7,000名分が発見されたことが6日、明らかになった。流出ファイルはZIP形式で、内容の大半が10個のエクセルファイルで構成された名簿だという。同名簿には2003年12月以前の九州、沖縄を除く全国の情報が記載されており、中でも島根県や岡山県、鳥取県など中部地方の情報が多い。名簿には氏名、生年月日、性別、電話番号、勤務先、部署などが記載されているほか、独身か既婚かが記されたものもあるという。流出したZIPファイル名には大手電機会社の社名が使われているが、ファイルが同社に関与したものかどうかは不明。
■北海道武蔵女子短大:委託先社員のPCが感染、受験生1,072名分の合否流出
北海道武蔵女子短期大学(札幌市北区)は4日、2004年度受験生1,072名分の合否結果がWinnyネットワーク上に流出していたことを明らかにした。入試情報システムの開発を委託した大丸藤井(札幌市白石区)の社員の私有パソコンが流出元となった。流出資料は2004年8月、同社からソフト開発のために必要との要請があり短大側が提供したもので、当該受験生の住所や氏名、合否結果などが含まれている。同社員は会社の許可を得ずに自宅パソコンに当該資料を保存、ソフト開発の作業終了後も削除せず、同じパソコンでWinnyを使用していた。同短大は、今年4月3日に毎日新聞社から取材の申し込みを受け、初めて流出を知ったという。同短大では問い合わせ窓口を開設し、本件に関する二次被害を含めた不利益が生じた場合、補償に応じるとしている。
・お詫び(大丸藤井)
http://www.daimarufujii.co.jp/
・北海道武蔵女子短期大学
http://www.musashi-jc.ac.jp/
■日本StorageTek:社員のPCが感染して社内文書流出、関連19社に影響
コンピューター周辺機器の日本ストレージ・テクノロジー(日本StorageTek、本社:東京都渋谷区)は1日、個人情報29名分を含む社内文書が流出したと発表した。同社社員が社内文書を自宅の私有パソコンに保存していたことが原因で、2005年5月から8月頃にかけて、同パソコンから流出したという。流出書類はすべて同社内で作成した社内文書で、社外向けの報告書もあり、影響は19社に及ぶという。また、29名分の氏名、電話番号など個人情報も含まれていた。同社は、全社レベルで情報セキュリティー対策の強化を行い、今後、このような事故が発生しないよう、鋭意努力していくとしている。
・Winnyによる弊社社内文書の流出事故について(日本ストレージ・テクノロジー)
http://www.storagetek.co.jp/company/apology.html
(2006/04/07 ネットセキュリティニュース)