オンラインゲームの顧客情報流出が相次いでいる。着メロ大手のフェイスでは自社で運営するオンラインゲームの顧客情報が流出した恐れがある。また先月、情報流出したゲームオンはマザーズへの上場を中止した。
■フェイス:オンラインゲームに不正アクセス、会員情報流出の可能性
着メロのフェイス(本社:京都市中京区)は8日、同社が運営するオンラインゲーム「ローズオンラインエボリューション」のウェブサーバーが外部から不正アクセスを受け、顧客情報が流出した可能性があると発表した。流出情報は顧客のアカウントID、パスワード、メールアドレスで、一部会員については氏名、住所、生年月日が流出した可能性もあるという。
同社によると6日、同ゲームの会員から「自分のキャラクターのゲームアイテムが紛失している」という問い合わせのメールを受け取り、調査したところ、同会員のアカウントIDが不正な海外IPで接続されたログを確認した。さらに調査を進めたところ、顧客情報の一部が流出した可能性があることが判明。同日15時45分にゲームサービスおよび会員ページを停止し、会員情報への外部からのアクセスを完全に遮断した。翌7日、緊急対策チームを設置するとともに第三者機関に委託し、個人情報の流出状況などを調査した結果、会員の個人情報が流出した可能性があることがわかった。同社では、不正アクセス禁止法違反などの刑事事件に該当するとして、警察庁ハイテク犯罪対策総合センターと経済産業省に相談を開始。現在、第三者の専門機関による調査を継続している。
当該顧客に対しては、8日8時30分に新パスワードをメールで配信し、メールまたは電話による問い合わせ窓口を設置している。
・「ローズオンラインエボリューション」への不正アクセス発生について(フェイス)
http://www.faith.co.jp/ir/doc/060808Roseonline.html
・ローズオンライン
http://www.roseon.jp/
■ゲームオン:顧客情報流出でマザーズへの上場を中止
オンラインゲームを運営するゲームオン(本社:東京都渋谷区) は、同社のゲーム情報ポータルサイト「ジーパラドットコム」の顧客のメールアドレス3,880件が先月27日に流出した件を受けて、今月9日に予定していたマザーズへの上場を中止した。
事件が発生したのは、同社が7月6日と21日に開催した取締役会で、東証マザーズへの上場を決めた矢先だった。同社では事件の内容を確認し、投資家に周知徹底することが必要として、同月31日開催の取締役会で上場の中止を決議。報告を受けた東証は同日、上場承認を取り消した。
同社は、投資家はじめ関係各位に多大な迷惑をかけたとしてホームページで謝罪。内部管理体制のさらなる強化に努め、早期に上場手続きの再開を図るとしている。
・新株式発行及び株式売出しの中止に関する取締役会決議のお知らせ(ゲームオン)
http://www.gameon.co.jp/apology/info_060731.asp
・お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ(ゲームオン)
http://www.gameon.co.jp/apology/index.asp
・新規上場承認の取消し - (株)ゲームオン-(東京証券取引所)
http://www.tse.or.jp/news/200607/060731_a.html
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・ゲームオン、登録通知メール3,880件に他人のアドレスとパスワード誤記載(2006/07/31)
(2006/08/10 ネットセキュリティニュース)