暴露ウイルス「シャレタマ」による個人情報流出事故が2件明らかとなった。石川県能登町と七尾市の住民税情報と、大阪府箕面市の高校の生徒情報で、どちらも Winny(ウィニー)ネットワーク上へ流出している。今夏、同じくシャレタマによる感染で精神疾患患者情報をWinnyネットに流出させた業者は、プライバシーマーク審査会から処分を受けた。
■石川コンピュータ・センター、能登町と七尾市の住民税情報1万2,694件流出
情報処理サービスを行う石川コンピュータ・センター(本社:石川県金沢市)は11日、同社が住民税業務を受託していた石川県能登町(旧能都町)と同県七尾市(旧中島町)の個人住民税に関する情報が、Winnyのウイルス感染により流出したと発表した。
流出したのは、旧能都町の2003年度の情報4,558件、2004年度の情報8,134件と、旧中島町の2004年度の情報2件。2003年度の情報は整理番号と税額を、2004年度の情報は納税者の住所、氏名、住民税額を含んでいた。
同社によると、業務を担当した同社関連会社社員がデータをUSBメモリに入れて持ち出し、Winnyが入った自宅のパソコンに保存。今年8月、ウイルスに感染してデータが流出した。当該パソコンにはウイルス対策ソフトがインストールされていたが、期限が切れていたという。
・個人情報流出についてのお詫びとご報告(石川コンピュータ・センター)
http://www.icc.co.jp/info/20060911.html
・能登町(旧能都町)個人情報漏洩について[PDF](石川県能登町)
http://www.town.noto.ishikawa.jp/03-community/04-tyousei/kisya_hapyou_06_09_11.pdf
・個人情報漏洩について(お詫び)(石川県能登町)
http://www.town.noto.ishikawa.jp/03-community/04-tyousei/jouhou_rouei.html
■箕面学園高等学校、2年前の2年生179名分の連絡先や成績が流出
箕面学園高等学校(大阪府箕面市)を今年3月に卒業した生徒179名分の連絡先や成績などの情報が、Winnyネットに流出していたことが11日、わかった。流出したのは、2004年4月当時の同校2年生全員のデータで、氏名や住所、電話番号、入学時の試験の成績などが含まれている。当該データは、学年主任が2年生のクラス担任を受け持つことになった新任教師に渡したもので、当該教師が自宅の私有パソコンに保存していたところ、今年6月にウイルスに感染し流出。今月5日、大阪府教育委員会からの連絡で発覚した。同校は、該当者に対し経緯の説明と謝罪を行うとしている。
・箕面学園高等学校HP
http://www.minohgakuen.ed.jp/
■プライバシーマーク審査会、データ流出問題でインテックに「改善要請」の処分
日本情報処理開発協会は8日、同協会指定機関「情報サービス産業協会」のプライバシーマーク審査会が、情報サービス・調査業のインテック(本社:富山県富山市)の個人情報漏えい事故に対し、認定取り消しに次いで重い「改善要請」の処分を決定したと発表した。この漏えい事故は7月に明らかになったもので、同社勤務の派遣社員が、富山県高岡市と富山県心の健康センター(富山市)が管理する精神疾患患者の情報1,653件をWinnyネット上に流出させた。
・プライバシーマーク認定事業者の事故に係る処分について(日本情報処理開発協会
プライバシーマーク事務局)
http://privacymark.jp/pr/jisa-intech-20060908.html
(2006/09/12 ネットセキュリティニュース)
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