アップルは18日、9月12日以降に出荷されたビデオ対応のiPod製品の一部にウイルスが混入している可能性があると発表した。
製造工程中に委託先のWindowsマシンを介してウイルスに感染したものとみられ、これまでに受けたウイルス発見の報告数は25台未満。日本国内で出荷された製品について影響があるかどうかは現在、調査中である。「iPod nano」「iPod shuffle」「Mac OS X」への影響はない。
今回混入が確認されたウイルスは「W32/RJump.worm(マカフィー名)」という既知のウイルスで、Windowsのみに感染する。感染するとシステムにインストールされ、バックドアが仕掛けられる。同時に感染をさらに広げるためのワーム活動を行い、リムーバブルメディアを探して自身をコピー、自動実行ファイル(autorun.inf)を作成する。
ウイルス対策ソフトウェアをデフォルト設定で利用し、パターン定義を最新のものにしていれば、これを検知および駆除することができる。感染が確認された場合は、Windows対応の外付けハードディスクやデジタルカメラ、USBメモリ等の接続機器についても一通りウイルスチェックを行なう必要がある。アップルではウイルス駆除を行ったのち、iTunes 7を使い、リストア(修復作業)を行なうことを推奨している。
セキュリティベンダーのマカフィーは同日、この「W32/RJump.worm」ウイルスの無料駆除ツール「マカフィー・スティンガー」の提供を開始した。なお、この駆除ツールは、13日に発表されたマクドナルドのキャンペーン賞品MP3プレーヤーのウイルス「WORM_QQPASS.ADH」(W32/QQPass.worm:マカフィー名)にも対応している。
(2006/10/19 ネットセキュリティニュース)
■Video iPod と ウイルスについて(アップル)
http://www.apple.com/jp/support/windowsvirus/
■マカフィーが、iPodとMP3のユーザに対し、感染ワームの駆除ツールを提供(マカフィー)
http://www.mcafee.com/japan/about/prelease/pr_06b.asp?pr=06/10/18-1
【ダウンロード】
■AVERTウイルス駆除ツール(マカフィー)
http://www.mcafee.com/japan/security/stinger.asp
■McAfee AVERT Stinger[英文](McAfee)
http://vil.nai.com/vil/stinger/default.aspx
【ウイルス情報】
■W32/RJump.worm(マカフィー)
http://www.mcafee.com/japan/security/virR.asp?v=W32/RJump.worm
■Backdoor.Rajump(シマンテック)
http://www.symantec.com/region/jp/avcenter/venc/data/jp-backdoor.rajump.html
■WORM_SIWEOL.B(トレンドマイクロ)
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=WORM_SIWEOL.B
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