群馬県が29日に発表を予定していた「平成18年度・宅地建物取引主任者資格試験」の合格者が、前日に県のホームページ(HP)で閲覧可能な状態になっていたことがわかった。
宅建試験の合格発表は、29日午前9時から各都道府県の所定の場所に掲示されるほか、「不動産適正取引推進機構」のHPでは同日午前9時半からの発表を予定していた。群馬県では例年、県の合格者を群馬県報で公告しており、今年は29日発行の号外に387名の受験番号と氏名を掲載した。
インターネット版の県報は、PDFファイルを前日までにHPに登録し、県報のページの更新とともに当日分へのリンクが公開される手はずになっていた。29日発行分は前日の28日に登録されたが、当該ファイルに対するアクセス制限などは行っておらず、URLを指定すれば誰でも閲覧できる状態にあった。
県報のファイル名は、通常は「8436.pdf」というように県報番号が、号外には2006年11月の号外4号ならば「0611-gou04.pdf」というように規則的な名前が付けられており、県報のページの更新を待たずとも、そのURLは容易に類推できる。28日夜、インターネットの掲示板に当該ファイルのURLが書き込まれ、閲覧可能であることが発覚。外部からの通報を受けた県は、同日深夜、当該ファイルをHPから削除し、29日9時半に改めて公開した。
フライング掲載による合格者の事前流出は、今年1月に東京都の行政書士試験で、8月には福島県の職員採用試験で起きている。インターネット上のサーバにアクセス制限無しで置いたファイルは、その時点で広く一般に公開したことになるということを、サイトの運営者は、あらためて認識しておきたい。
(2006/11/29 ネットセキュリティニュース)
■群馬県報(群馬県)
http://www.pref.gunma.jp/cts/contents?CONTENTS_ID=20867
【関連記事:ネットセキュリティニュース】
・福島県、職員採用試験の合格者をHPにフライング掲載(2006/08/11)