ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じた情報流出の勢いは衰える気配がない。NTT西日本からは顧客情報1,614件が、狛江市の市立中学校からは生徒の成績160名分が、東芝エレベータからは顧客情報345件分が流出した。NTT西日本ではこれまでも、同社や業務委託先の社員の私有パソコンから個人情報が流出している。
■NTT西日本、顧客情報1,614件分が流出
NTT西日本は2日、同社の鳥取支店(鳥取県鳥取市)の顧客1,614件分の個人情報がWinnyネットワーク上に流出したと発表した。流出したのは米子営業支店の中小企業担当部署が2001年12月に作成した業務関連ファイルで、米子エリアの個人顧客の464件、法人顧客1,150件の個人名または法人名、住所、電話番号などが含まれていた。同支店では流通経路を調査しているがまた特定できていない。当該顧客には謝罪文を送付すると共に、訪問などにより個別に説明するとしている。同支店では業務関連情報などの社外持ち出しを禁止するなど情報管理の徹底に努めていた。今後は個人パソコンに対する会社情報の保存の有無の再点検など再発防止に努め、顧客の信頼回復に努めるとしている。
・お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ(NTT西日本鳥取支店)
http://www.ntt-west.co.jp/tottori/newsrelease2.html
■狛江市立狛江第三中学校、生徒160名分の個人情報流出
東京都狛江市教育委員会は2日、狛江市立狛江第三中学校の生徒160名分の個人情報が、同校の数学担当教諭のパソコンからWinnyを介してインターネット上に流出したと発表した。流出情報は2003年度に同校の1年生または2年生だった生徒の個人名、性別、数学の成績など。同教諭は昨年8月に評定換算ソフトを作成する目的で当該データを自宅に持ち帰り、Winnyを使用していた私有パソコンに保存。同パソコンがウイルスに感染し、今年8月6日に流出した。10月31日に文部科学省から指摘を受けて発覚。生徒の保護者には今月1日夜に電話で事情を説明した。
・狛江市教育委員会
http://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/11,html
・狛江市
http://www.city.komae.tokyo.jp/
■東芝エレベータ、顧客情報345件分が流出
東芝エレベータ(本社:東京都品川区)は26日、同社従業員の自宅私有パソコンから顧客情報345件分が流出したと発表した。当該パソコンがウイルスに感染し、8月末にWinnyネットワーク上に流出した。流出情報は主に名刺情報で、顧客の氏名、住所、電話番号、社名、部署名、役職など。同社では自宅の住所や電話番号などは流出していないとしている。また、京都迎賓館の見積書なども流出した。当該顧客には個別に連絡をしている。同社は流出拡大の防止に努め、顧客情報の管理を徹底するとしている。
・弊社におけるお客様情報の流出について(お詫び)(東芝エレベータ)
http://www2.toshiba-elevator.co.jp/elv/infomation/20061026.jsp
(2006/11/06 ネットセキュリティニュース)
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