人気オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」などを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントは1日、ラグナロクオンライン運営チームが、ゲーム内の通貨などを現実世界のお金で取引するリアルマネートレード(RMT)に対する一斉措置を行ったと発表した。のべ7,850キャラクターを調査し、ゲーム中の仮想通貨「ゼニー(zeny)」を約2,673億ゼニー凍結する大規模な措置となっている。
今回の措置では、対象をRMT業者だけではなく、RMT利用者まで拡大している。その結果、45件のGunHo-IDが永久アカウント停止、同846件が一時凍結となった。同社はRMTについて、ゲーム内の流通バランスを悪化させるだけではなく、詐欺や不正アクセスなどの現実世界での犯罪行為を助長すると指摘。RMTサイトの定期巡回による同社のゲーム関連情報のチェックやゲーム内調査を行い、関与が認められればアカウントの停止などの対策を講じている。同ゲームの通貨を偽造して今年7月に逮捕された元社員に対しては、7,486万円の損害賠償請求訴訟を提起した。
RMT利用による不正の横行は、ガンホーだけが抱える問題ではない。今年11月にはエヌ・シー・ジャパン(NCJ)が運営するオンラインゲーム「リネージュII」のアイテムを偽造してネットで販売したとして、中国人留学生(23歳)が熊本県警により出入国管理法違反(資格外活動)容疑で逮捕された。同容疑者は留学生の資格で入国して偽造アイテムを販売し、1億5,000万円を荒稼ぎした。
ガンホーではユーザーに対し、各ユーザーがRMTを利用しないことがゲーム内からRMTを排除することにつながるとして、RMTを利用しないよう呼びかけている。
(2006/12/04 ネットセキュリティニュース)
■【重要】RMT(リアルマネートレード)に対する一斉措置のお知らせ(ラグナロクオンライン)
http://www.ragnarokonline.jp/news/information/notice/item/8418
■ラグナロクオンライン
http://www.ragnarokonline.jp/
■ガンホー・オンライン・エンターテイメント
http://www.gungho.co.jp/
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