■ 試買調査で医薬品成分検出~福岡県4製品、東京都2製品
福岡県は5日、ネット販売の健康食品10品目中4製品から医薬品成分を検出したと発表。東京都は20日、買い上げた72品目中インターネットで購入した2製品から医薬品成分を検出したと発表した。
医薬品成分が検出されたのは、「金牛」「男王50 玉液」「アーサービッグ」「マグナム55」「元気一番」「マグナム55XP」(マグナム55と同一内容)で、ホモシルデナフィルなどのバイアグラ類似成分が検出。これまでのところ健康被害の報告はないが、頭痛や視覚障害などの健康被害が発生するおそれがある。「アーサービッグ」からは、劇薬指定の医薬品成分ヨヒンビンが検出されており、発疹や発汗、めまいなどの健康被害が発生するおそれがある。
強壮効果をうたった健康食品には、バイアグラ類似成分などを含む危ないものが多く、今年1年で60以上の報告があがっている。また、個人輸入代行と称するサイトでは、バイアグラそのものの偽造品も多数販売されており、バイアグラ製造元のファイザーによると半分以上は偽物という。
・平成18年度第2回健康食品買上げ検査の結果について(福岡県)
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/wbase.nsf/doc/kenshoku12?OpenDocument
・医薬品成分を含有する健康食品にご注意(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/12/20gcl200.htm
■ 健康食品のネット広告、半数が違法
埼玉県は20日、健康食品の中でも違反事例の多い強壮用健康食品とダイエット用食品のインターネット広告38件を検査したところ、19件に法令違反が見つかったと発表した。違反事例として、医薬品的な効能効果をうたったもの(薬事法違反)、事実と異なる優良誤認表示(景品表示法違反)、体外排出によるダイエットをうたったもの(健康増進法違反)をあげ、詐欺まがいの広告に惑わされないよう注意を呼びかけた。
健康食品には法令上の明確な定義はなく、医薬品(医薬部外品を含む)以外の一般食品に含まれる。一般食品には、健康増進法に基づく許可を受け、特別の用途に適するとの表示が行える「特別用途食品」。許可を受け、保健の効果を表示できる「特定保健用食品」。許可は必要ないが、定められた栄養成分の機能のみ表示できる「栄養機能食品」があるが、これら以外は、効果や機能を根拠なく表示することはできない。ところがネット上には、一線を越えた危ない広告が氾濫している。
・県がインターネット広告をチェック!!~健康食品のインターネット広告の50%が違反~(埼玉県)
http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.exe?mode=ref&yy=2006&mm=12&seq=92
■「酔いざまし薬」のネット販売で健康食品販売会社を家宅捜査
一線を越えた危ない広告をホームページに掲示していた広島市内の健康食品販売会社など3か所が21日、広島県警の家宅捜査を受けた。
報道によると、問題となったのは同社がホームページで販売していた「しらふサラサラ」と「スーパー酔さめα」。当該製品は、「血液中に入ったアルコールを限りなくゼロに近づけ、みるみる酔いがさめてゆく」などとうたっており、匿名の情報提供を受けた県警が、薬事法に違反し飲酒運転を助長するおそれがあるとして捜査していた。
家宅捜査を受けた販売会社は同日、サイトのコンテンツをすべて削除したが、他の製品についても「肝臓やすい臓を活性化」「ドロドロ血をサラサラに」「高脂血症と肥満の防止・抑制に効果的」「高血圧、ガン、動脈硬化、リウマチなどの成人病や慢性病・難病に優れたパワーを発揮」「名医も奨励」などの危ない表示のオンパレードだった。
・健康食品販売会社HP跡地
http://www.tinic.co.jp/
(2006/12/29 ネットセキュリティニュース)
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