ネット上に公開される残虐な画像が問題となっている。子どもの遺体写真を集めたページを公開して「三度の飯より子ども死体」と宣伝に努めていた小学校教諭、猫を虐殺した画像を匿名掲示板で喧伝した無職の若者。痛ましい画像を興味本位で不特定多数にさらす行為は、暴力が禁忌であるという意識を麻痺させ、生命軽視の風潮を助長する恐れも大きい。
■ 小学校教諭が児童の交通事故死写真を無断掲載、児童ポルノも
自ら開設したホームページ(HP)に交通事故死した児童6名の写真を無断で掲載し、揶揄やわいせつな印象の言葉を添えて公開していたとして、東京都羽村市の市立小学校に勤務する男性教諭(33歳)に対して4日、児童らの遺族が侮辱容疑の告訴状を警視庁に提出した。また、6名以外の児童の全裸写真なども掲載されていたことから、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑の告訴状も提出した。
同教諭は「クラブきっず」「交通事故きっず」と題したHPを開設し、事故や虐待で死亡した子どもの遺体写真を大量に掲載。さらに「三度の飯より子ども死体」と名乗って自分のHPを宣伝したほか、遺族に対し「写真が載ったHPがある」という内容の匿名メールを送りつけた。遺族がプロバイダーに削除依頼を提出して当該HPは削除されたが、同教諭はHPを削除される度にプロバイダーを変え、同じHPを何度も公開した。掲載写真の中には、2002年9月に愛知県名古屋市で屋上駐車場から車が落下した事故に巻き込まれて死亡した女児の遺族が作成したHPから無断転載した写真が含まれており、愛知県警が今年6月、著作権法違反容疑で教諭の自宅を捜索、8月に事情聴取していた。同HPは11月に閉鎖した。
同市教育委員会は事情聴取の事実を把握していたが、HPを閲覧、確認することはなく、同教諭は12月1日付で自宅待機となるまで教鞭をとっていた。
■ 虐殺した猫の画像をネットに公開、匿名掲示板で喧伝
埼玉県警生活環境2課と新座署などは11月20日、動物愛護法(愛護動物の殺傷禁止)違反の疑いで、茨城県水戸市在住の無職の男(20歳)をさいたま地検に書類送検した。男は今年4月20日と23日に猫を虐殺した画像をネット上にアップロードし、そのURLをネット上の掲示板「2ちゃんねる」のスレッド内に貼り付けた。画像は、バスタブの中に横たわった猫の口元から血が流れているものなど2種類。男の書き込みを見た埼玉県の自営業の男性(40歳)らが同月25日、ホームページとブログを開設して抗議活動を開始。埼玉県警に捜査を求める嘆願書1,366名分、計243通が埼玉県警に届けられ、同県警が捜査をしていた。
2ちゃんねるでは2002年5月にも猫を虐殺する経過を画像に収めてネット上に公開し、報告する事件が起きた。犯人は書類送検されたが厳罰を求める声が高まり、同年8月、動物愛護法違反容疑で福岡地検により逮捕された。
(2006/12/08 ネットセキュリティニュース)