Winny(ウィニー)ネットワークへの情報流出事故4件が明らかとなった。中国電力、朝日新聞社、毎日新聞社では、それぞれ2度目の流出事故となる。
■中国電力、社員の私有PCから業務情報流出
中国電力(広島市中区)は17日、同社の業務情報がWinnyネットワーク上に流出していたと発表した。同社によると、9日に外部から通報があり、調査したところ、同社社員の私有パソコンがウイルスに感染して、配電工事関係の検討資料が流出していたことが判明した。流出した情報の中に、原子力関連等の機密情報や顧客の個人情報は含まれていない。流出時期は昨年の9月2日以降とみられる。同社では昨年5月、子会社のエネルギア・コミュニケーションズから、業務情報がWinnyを介して流出する事故が起きている。
・当社社員の個人所有パソコンからの業務情報の流出について(中国電力)
http://www.energia.co.jp/press/06/p070117.html
■朝日新聞社福島総局、前総局長の私有PCから外部筆者の個人情報など流出
朝日新聞社(東京本社:東京都中央区)の業務に関する情報が、Winnyを介して流出していたことが15日、わかった。編集部の調べでは、流出元は同社福島総局(福島県福島市)前総局長の自宅にある私有パソコンで、流出時期は昨年の8月25日以降。流出していたのは、2005年12月から昨年8月にかけて、朝日新聞福島版に寄稿していた大学院教授とやりとりしたメールなど。原稿や同教授の個人情報も含まれている。前総局長は昨年8月まで福島におり、現在は別の総局の総局長。同総局長は自宅のパソコンにこれらのメールを転送しており、家族がこのパソコンでWinnyを使っていたとみられる。同社では昨年4月、元学生アルバイトの私有パソコンから、学生アルバイト170名の個人情報などが流出している。
・朝日新聞の速報ニュースサイト
http://www.asahi.com/
■毎日新聞西所沢販売店、店主の私有PCから購読者情報流出
毎日新聞社(東京本社:東京都千代田区)の購読者情報や業務情報が、Winnyネットワーク上へ流出していたことが明らかとなった。毎日新聞西所沢販売店(埼玉県所沢市)の店主が所有するPCから流出したもので、昨年12月31日にウイルスに感染し、流出したと見られる。流出していたのは、購読者の氏名、住所、電話番号や、業務資料。毎日新聞社の購読者情報が流出する事故は昨年4月にも起きており、このときは関連会社社員のパソコンから、約6万5000件の情報がShare(シャレ、シェア)を介して流出した。
・毎日新聞社
http://www.mainichi.co.jp/
■三重中央医療センター、麻酔用麻薬の管理状況など流出
三重中央医療センター(三重県津市)の副薬剤科長の私有パソコンから、医療用麻薬の管理状況を含む薬剤課の内部資料がインターネット上に流出していたことが9日、明らかとなった。編集部の調べでは、流出した情報には調剤後に破棄された麻薬の一覧も含まれており、同一覧には、調剤を受けた患者の氏名や破棄理由なども記載されている。副薬剤科長は、2004年に資料を持ち出して、Winnyが入った自宅のパソコンに保存していた。
・三重中央医療センター
http://www.hosp.go.jp/~nmch/
(2006/01/18 ネットセキュリティニュース)
【関連記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny][Share]情報流出:日立からシステム仕様書、中国電力、那智勝浦町(2006/05/12)
・Winny情報流出:朝日新聞/四国電力/皇太子ご夫妻など要人の高速利用情報も(2006/04/26)
・Winnyからshare、山田オルタナへ流出経路拡大:毎日新聞 近畿大 長崎市特養(2006/04/28)