公務員による情報流出事故3件が相次いで明らかとなった。3件とも、持ち出せないはずの情報を持ち出し、私有パソコンからWinny(ウィニー)経由で流出させている。
■陸上自衛隊、隊員の私有パソコンから訓練情報が流出
陸上自衛隊第14旅団(司令部:香川県善通寺市)の3等陸曹が所有するパソコンから、内部情報が流出していたことがわかった。流出していたのは訓練に関する資料で、秘密情報は含まれていない。防衛省によると、3等陸曹は許可なく私有パソコンを部隊内に持ち込んで使用していたが、その後当該パソコンを自宅に持ち帰り、HDDを抜き出して新たにパソコンを自作。Winnyを利用していたところ、ウイルスに感染して情報が流出した。同省は、昨年8月頃には流出を確認していたが公表していなかった。
防衛省では昨年2月、海上自衛隊員の私有パソコンから秘密情報や個人情報が流出。これを受けて、職務上使用する私有パソコンからファイル交換ソフトを削除する、私有パソコンに保存されている業務用データについて秘密の情報や必要のないデータを削除する、などの事項が通達されている。
・防衛省・自衛隊
http://www.mod.go.jp/
■東京国税局、職員の私有パソコンから納税者情報400件が流出
東京国税局は8日、同局徴収部の男性徴収官(35歳)が自宅で使用していた私有パソコンから、納税者の情報約400件がWinnyを通じて流出していたと発表した。流出したのは、徴収官が千葉県内の税務署に勤務していた2003年1月から2004年7月の間に作成した資料で、個人および法人納税者の住所、氏名と、一部については財産の状況も含まれいる。徴収官は、許可なく内部資料を持ち出すことが禁じられているにもかかわらず、署内のパソコンで作成した資料をUSBメモリに移して無断で持ち帰り、自宅のパソコンに保存していた。
・東京国税局
http://www.tokyo.nta.go.jp/
■都の区立中学、教諭の私有パソコンから生徒175名分の名簿など流出
東京都江戸川区教育委員会は9日、区立中学校の男性教諭(48歳)が自宅で使用していた私有パソコンから、生徒の名簿や写真などが流出したと発表した。3日にウイルスに感染し、Winnyネットワーク上へ流出した。同教委によると、流出したのは、教諭が顧問を勤める同校バドミントン部のスナップ写真40枚、2004年の修学旅行で撮影した写真約30枚と、同区バドミントン大会の出場者名簿など。名簿には、8中学校175名の生徒について、氏名、生年月日、住所、学校名が記載されていた。同教委では、個人情報を許可なく持ち出すことを禁止している。
・江戸川区ホームページ
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/
(2007/02/13 ネットセキュリティニュース)
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