ファイル共有ソフトShare(シャレ、シェア)やWinny(ウィニー)を介した情報流出が、また明らかとなった。春日部市では、国民健康保険や税務に関する個人情報1万1,000件が流出。三菱UFJ信託銀行では、顧客データ数十名分が流出した。また、40万名分という大量の個人情報を含む謎の名簿も流出している。
■春日部市、職員の自宅PCから国保加入者や個人事業者の情報 約1万1,000件流出
埼玉県春日部市は12日、市民の個人情報がネット上に流出していたことを明らかにした。同市によると、流出していたのは、国民健康保険加入者の氏名、住所、生年月日など5,196件と、個人事業者の氏名、住所など税務関連のデータ6,020件。同市庄和総合支所税務課の男性主任職員(33歳)が当該データを持ち帰り、自宅のパソコンに保存していたところ、8日にウイルスに感染。Shareを介して流出した。職員は、2006年3月まで国民健康保険課に勤務していた。同市では、業務情報等を庁舎外に持ち出すことを禁止している。
・ 国民健康保険に関するデータの一部流出について(春日部市)
http://www.city.kasukabe.lg.jp/public/info01.nsf/ByCategory/6B6D8DD147FB893D4925729C002E661B?OpenDocument
■三菱UFJ信託銀、再委託先元社員の私有PCから顧客データ数十名分流出
三菱UFJ信託銀行(本店:東京都千代田区)の顧客データがShareネットワーク上に流出していたことが明らかとなった。同社によると、2000年ごろにシステム開発を委託していた会社の再委託先元社員が所有するパソコンに、顧客番号などを含むデータ数十名分が残っており、今回の流出となった。当該データには、顧客の氏名や住所等、個人を特定できるような重要情報は含まれていない。また、データが不正に利用された事実は確認されていないという。同社では、該当する顧客に、個別に謝罪と経緯説明を行っている。
・お客さま番号などの外部流出について(三菱UFJ信託銀)
http://www.tr.mufg.jp/ippan/about/gaibu.html
■Winnyネットワークに40万名分の出所不明名簿流出
通販利用者と思われる約40万名分の氏名、性別、住所、電話番号などを含む謎の名簿が、Winnyネットワーク上に流出した。流出の時期は今月2日以降。名簿はExcelでまとめられており、一部は未婚、既婚の区別もされている。また、同じパソコンからこの名簿と同時に、アダルトビデオ製作関連の業務データも流出している。これまで、一度に大量の個人情報がファイル共有ソフトのネットワーク上に流出した例としては、昨年12月、やはり出所不明の約12万7,000名分の名簿が流出したケースがあるが、今回の流出はこれを大きく上回る規模となった。
(2007/03/13 ネットセキュリティニュース)
【関連記事:ネットセキュリティニュース】
・Winny情報流出:過去最大の個人情報流出/武蔵女子短大/日本StorageTek(2006/04/07)