ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が、また明らかとなった。陸上自衛隊からは数年前の内部資料が流出。エンジニア派遣業者からは顧客情報と社員の個人情報が、また、情報処理サービス業者からはメールアドレスなどの個人情報が流出している。
■陸自松戸駐屯地の内部資料が2等陸曹のPCから流出
陸上自衛隊松戸駐屯地(千葉県松戸市)の内部資料がWinnyを介してネット上に流出していたことが分かった。3月30日に流出したとみられる。報道によると、流出したのは同駐屯地の武器庫見取り図などで、「秘」指定の情報は含まれていない。流出元となったのは、かつて同駐屯地に勤務し、現在は陸自下志津駐屯地(千葉市若葉区)に所属している2等陸曹(37歳)の私有PC。この件について、久間防衛大臣は10日の会見で、「過去のデータをまだ完全に消していなかったと聞いている。昔のこととは言いながら流出しているのは由々しきこと。以前のデータがPCやFD等に残っていないかどうかチェックするよう言っており、部隊としても隊員に念を押しているが、徹底できていないようだ」と語った。
・防衛省・自衛隊
http://www.mod.go.jp/
■VSN、社員の私有PCから顧客情報332件と社員1589名の個人情報流出
エンジニア派遣などを手がけるVSN(本社:東京都港区)は5日、同社社員の私有PCがウイルスに感染し、顧客情報を含む社員情報ファイルがWinnyのネットワーク上に流出したと発表した。流出が判明したのは3月27日で、3月18日に流出したとみられる。当該情報は2006年に作成されたもので、同社顧客332社の法人名と所在市町村名および、同社社員1589名の氏名、所属分野と、そのうち156名分のメールアドレスを含んでいる。同社では社内のPCにWinny等のソフトウェアをインストールすることを不可能にしており、社員に対しては、ファイル交換ソフトの使用を禁止するとともに、個人情報保護に関する研修も実施していたという。なお、同社の会長はダービー馬主として有名な関口房朗氏。
・お客様情報及び弊社社員情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](VSN)
http://ir.vsn.co.jp/html/pdf/prs20070405.pdf
■ワールドビジネスセンター、社員の私有PCから個人情報流出
情報処理サービスを手がけるワールドビジネスセンター(本社:京都市南区)は3月30日、ファイル交換ソフトにより、業務メール情報がインターネット上に流出したと発表した。同社によると、流出した情報にはメールアドレス等の個人情報が含まれている。現在、流出の経緯や詳細について分析調査しており、流出した個人データの内容を特定でき次第、個別に報告をするという。同社は、今後、情報管理体制の強化を図り、再発防止に万全を期すとしている。
・個人情報流出に関するご報告とお詫び(ワールドビジネスセンター)
http://www.wbc.co.jp/modules/news/article.php?storyid=24
(2007/04/11 ネットセキュリティニュース)