山口県警察本部生活安全部および岩国警察署は14日、権利者に無断で音楽ファイルを送信可能な状態にしていた山口県岩国市在住の男(25歳)を著作権法違反の疑いで逮捕した。
日本レコード協会(RIAJ)によると、男は、2006年5月から携帯電話向けのレンタル掲示板サービスを利用して、Every Little Thingや倖田來未などの楽曲をアップロードし、「着うた」として不特定多数がダウンロードできる状態にしていた。男は、レンタルしたCDから1000曲以上のデータを作成し、掲示板に貼り付けていた。
これまでに「着メロ」の違法配信が摘発された例はあるが、「着うた」の無断配信による逮捕は今回が初めて。携帯電話向けの音楽配信は2006年で約535億円の市場規模に成長しているが、同時に違法行為も急増しており、違法な音楽ファイルのダウンロードは年間で2億8700万ファイルにものぼるという。このため、違法配信者への削除要請活動などが積極的に進められており、RIAJは今回の逮捕を一連の違法対策活動が実を結んだ結果として高く評価している。
RIAJが2006年11月に実施した「違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザー利用実態調査」によると、着うたを違法に配信するサイト(以下、違法サイト)を利用していると回答した人は35.5%。とくに12~15歳では64.5%が利用経験ありとしている。違法サイト利用者のうち、違法サイトへ着うたをアップロードをしたことがあるとした人は17.7%で、12~15歳では33%となっている。また、音楽に著作権があることを知っているとした人は75.8%。違法サイト利用経験者の82.1%が、違法サイトの利用に罪悪感を感じないと回答している。
(2007/05/16 ネットセキュリティニュース)
■携帯電話向けの音楽の違法配信で、初の逮捕者(日本レコード協会)
http://www.riaj.or.jp/release/2007/pr070514.html
■違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザー利用実態調査(日本レコード協会)
http://www.riaj.or.jp/report/mobile/index.html