ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)のウイルス感染による業務情報流出が、3件明らかになった。新宮市職員のパソコンからは5年前のイベント参加者名簿が、さいたま市の中古車チェーン店からは顧客情報が、製薬会社からは取引先の情報が流出した。
■ 和歌山県新宮市、5年前のイベント参加者名簿670人分流出
新宮市は29日、南紀熊野地域の16市町村で構成した「南紀熊野21協議会」に出向していた職員の私有パソコンから、出向当時の業務資料が流出したと発表した。
市によると、流出したのは同協議会が2002年に主催したイベントの参加者やスタッフ670人余りの氏名、住所、電話番号など。当該職員が協議会に出向していた当時、作業を行うために持ち帰り自宅のパソコンに保存していたもので、2003年に協議会が解散した後も削除せず、先月28日ごろにウイルスに感染しWinnyネットワーク上に流出。今月24日、総務省からの連絡で発覚した。
・新宮市
http://www.city.shingu.wakayama.jp/
■ ユー・パーク、本社のパソコンから顧客情報流出
中古車販売のユー・パーク(本社:さいたま市岩槻区)は25日、同社のパソコンから顧客情報が流出したと発表した。
同社によると、今月19日、本社および支店に匿名のメールが寄せられた。メールに添付されたファイルには、同社が2001年から2003年に販売した顧客の住所、氏名が載っており、照合したところ本社のパソコンに保存されていたものと一致。当該パソコンからの流出と見て、ハードディスクのフォーマットと再インストールを行い対処した。
流出原因等については、現在も調査を続けているが詳しいことは分かっておらず、流出データを入手できていないため実際に情報が流出した顧客についても特定できていないという。これまでに2件の問い合わせがあり、個別に対応している。
・株式会社ユー・パークにおける個人情報流出に関して(ユー・パーク)
http://www.u-parknet.com/announcement.html
■ アラクス、社員のパソコンから取引先情報が流出
頭痛薬「ノーシン」などを製造するアラクス(本社:名古屋市中区)は18日、同社社員の私有パソコンから、取引先の情報がインターネット上に流出したと発表した。
流出したのは、取引先企業における同社製品の取り扱い状況に関するデータ。同社社員が持ち出し禁止の取引先情報を自宅に持ち帰り作業していたところ、3月末にウイルスに感染し、ファイル交換ソフトWinnyを介して流出。今月17日、インターネット上に掲載された情報で流出が発覚した。
・お取引先様情報流出に関するお知らせとお詫び(アラクス)
http://www.arax.co.jp/press/20070518.html
(2007/05/31 ネットセキュリティニュース)