市町村合併に伴うシステム統合作業を行った業者から、住民の個人情報がWinny(ウィニー)ネットワーク上へ大量に流出した。情報が流出したのは、山口市、愛媛県愛南町、長崎県対馬市、福岡県嘉麻(かま)市。
このうち、山口市、愛南町、対馬市の情報を流出させたのは山口電子計算センター(山口市)に勤務していた30代の女性元社員で、内規に反して持ち出していたデータを自宅のパソコンで整理した際、当該パソコンがウイルスに感染していたため情報が流出した。
嘉麻市では、麻生情報システム(本社:福岡市早良区)の社員が、こちらも内規に反して情報を持ち出し、ウイルスに感染していた自宅のパソコンから流出させた。なお、対馬市が業務を委託したのも福岡市の業者(業者名は未公表)で、山口電子計算センターに業務を再委託していたことがわかっている。
■ 山口市、住民7000名の個人情報流出
山口市は16日、旧秋穂(あいお)町の住民約7000名分の個人情報がインターネット上に流出していたと発表した。流出したのは2003年度と2004年度の税務業務に関するデータなどで、住民の氏名や口座番号、納税額などを含んでいる。同市は、山口電子計算センターに業務を委託していた。
・個人情報漏えいについてのおわび(山口市)
http://www.city.yamaguchi.lg.jp/dannai/soshiki/soumu/soumu/kurashi/owabi.htm
・山口電子計算センター
http://www.i-ycc.co.jp/
■ 愛媛県愛南町、住民の個人情報4万2000件が流出
愛媛県愛南町は16日、同町住民の個人情報がインターネット上に流出していたと発表した。旧城辺町と旧西海町の住基情報約2万6000件や、口座管理ファイル287件など、計4万2000件の流出が確認されており、これらは住民の住所、氏名、口座番号などを含んでいる。流出元のPCには、同町関連で約10万件のデータが保存されていた。同町は、業務をデンケン(愛媛県宇和島市)に委託。デンケンが山口電子計算センターにデータ処理を再委託していた。
・愛南町の住民の個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ(愛南町)
http://www.town.ainan.ehime.jp/life/life_detail.php?lif_id=937
・愛南町個人情報の漏えいについて[PDF](愛南町)
http://www.town.ainan.ehime.jp/life/uploaded/pdf/937_pdf1.pdf
■ 長崎県対馬市、住民1,132名の個人情報流出
対馬市は16日、住民1,132名の個人情報が流出していたと発表した。流出したのは、2003年に公営住宅に住んでいた人に関するデータで、住所や氏名を含んでいる。対馬市から委託を受けた福岡市の業者が、山口電子計算センターに業務を再委託していた。
・対馬市WEB通信局
http://www.city.tsushima.nagasaki.jp/index.php
■ 福岡県嘉麻市、個人情報14件を含む課税データ流出
福岡県嘉麻市は16日、旧山田市の課税データ約3万件が流出したと発表した。流出したのは、2004年度から06年度までの軽自動車税課税データで、14件10名分については住所、氏名、生年月日や車種などを含んでいた。同市は、麻生情報システムに業務を依頼していた。
・嘉麻市の個人情報流出に関するお詫びとご報告について(嘉麻市)
http://www.city.kama.lg.jp/info/prev.asp?fol_id=4444
・麻生情報システム
http://www.aso-group.co.jp/ais/
(2007/05/17 ネットセキュリティニュース)