ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)のウイルス感染による情報流出が、3件明らかとなった。巡査長の私有パソコンからは警視庁の資料が大量に流出し、鹿児島県では県職員の私有パソコンから県民情報を含む業務資料が流出。楽天市場に出店している美容関連ショップでは業務用パソコンから顧客情報142件が流出した。
■警視庁、地域課巡査長のPCから捜査関連資料など1万件流出
警視庁は13日、北沢署地域課巡査長(26歳)の私有パソコンから、捜査関連の資料など1万件の情報がネット上に流出したと発表した。流出したのは、文書ファイル約9,000件と、写真のファイル約1,000件で、Winnyを介して流出した。巡査長は、同僚の巡査部長(32歳)のハードディスクからデータをコピーして自分のパソコンに保存していたとしている。流出したデータの中には、捜査報告書、供述調書など、事件、事故関係者などの個人情報を含む情報もあり、警視庁は確認作業を行っている。警察庁および警視庁は、職員に対し、Winnyが導入されたパソコンを使用しないよう指示していた。
・警視庁
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
■鹿児島県、県職員のPCから県民の個人情報含む業務情報約600件流出
鹿児島県は11日、県民の個人情報を含む業務情報約600件が、Winnyを介してネット上に流出したと発表した。県農政課によると、県職員の私有パソコンから流出したもので、県民の氏名、住所、電話番号を記載した名簿や台帳も流出している。9日にインターネットの掲示板で指摘されたことにより、流出が確認された。県では、業務関係の情報を持ち出すことを禁止している。また同県は8日に、ファイル共有ソフトShare(シェア、シャレ)のウイルス感染によりプライベートな情報を流出させた別の職員に対する懲戒処分を発表したばかり。
・職員の私物パソコンからの情報流出について(鹿児島県)
http://www.pref.kagoshima.jp/kensei/kisya/0706/ryusyutu.html
・6月11日記者発表資料[PDF](鹿児島県)
http://www.pref.kagoshima.jp/__filemst__/15768/jyouhou070611.pdf
■ランジェコスメティーク、業務PCから楽天の顧客情報142件流出
楽天市場に美容関連商品のショップ「ビューティーコロジー」を出店しているランジェコスメティーク(本社:横浜市戸塚区)と、楽天(本社:東京都港区)は13日、同ショップから、顧客の個人情報が流出したと発表した。2社の発表によると、同ショップで使用するパソコンがウイルスに感染し、Winnyを通じて流出したもので、2006年8月から2007年2月に同店と取引した顧客の一部、142件の注文者氏名、住所、電話番号、購入商品、送付先等が流出した。クレジットカードの情報は流出していない。2社は、該当する顧客について、注文時のメールアドレス宛に連絡をしている。
・「Winny」によるお客様情報の流出に関するお詫び(ビューティーコロジー/ランジェコスメティーク)
http://www.rakuten.co.jp/beauticology/kaiso.html
・店舗「ビューティコロジー」の取引に係る個人情報流出について(楽天)
http://www.rakuten.co.jp/com/faq/information/20070613.html
(2007/06/14 ネットセキュリティニュース)
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