ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が2件明らかとなった。医師のパソコンから過去に勤務した2つの病院の患者情報が流出し、国交省関東地方整備局からは業務情報が流出した。
■内科医のPCから患者情報1,343件流出~国保おいらせ病院と横須賀市立うわまち病院
男性内科医(35歳)のパソコンから、この医師が過去に勤務していた国保おいらせ病院(青森県おいらせ町)と、横須賀市立うわまち病院(神奈川県横須賀市)の患者情報計1,343件が、Winnyネットワーク上に流出していたことがわかった。内科医は2001年度と2002年度においらせ病院(当時百石病院)に、2003年にうわまち病院に勤務していた。流出はウイルス感染によるもので、感染し流出した時期は7月1日頃と見られる。
おいらせ町によると、1999年度~2002年度に旧百石病院で診療を受けた1,231名、のべ1,337件のデータが流出。データには、患者の氏名、年齢、性別や、一部については病名や症状も含まれていた。また、うわまち病院では、2003年に診療を受けた患者のデータ6件が流出。データには氏名、生年月日、症状詳記が含まれていた。厚生労働省が10日、内科医が現在勤務する伊東市民病院(静岡県伊東市)へ流出の事実を指摘し、今回の流出が明らかとなった。
・個人情報流出についてのおわび(横須賀市立うわまち病院)
http://www.jadecom.or.jp/jadecomhp/uwamachi/html/topics/index_8.html
・おいらせ町
http://www.town.oirase.aomori.jp/
・市立伊東市民病院
http://www.ito-shimin-hp.jp/
■国土交通省関東地方整備局、職員のPCから作業用データなど流出
国土交通省関東地方整備局(さいたま市中央区)は17日、職員が自宅で使用しているパソコンがウイルスに感染し、行政事務情報がWinnyネットワーク上へ流出したことを明らかにした。
同局港湾空港部(横浜市中区)によると、流出したのは、同局が発注する工事関係事務に使用する作業データや、事務所内で行った打ち合わせのメモなど。当該職員が自宅で作業を行うために持ち帰り、私有パソコン内に保存して消去し忘れていた。個人情報は含まれていない。同局ではこれまで、ウイルスなどによって情報流出につながるソフトの危険性、行政事務情報の自宅への持ち帰りの原則禁止などを周知してきたとしている。
・ファイル共有ソフトWinnyによる情報の流出について[PDF](国土交通省 関東地方整備局)
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/kisha/h19/0290.pdf
(2007/07/18 ネットセキュリティニュース)