インターネットに関連するマルチ商法で、業者に業務停止命令が出た。また、別の業者については聴覚障害者に被害が多発しており、各地で集団訴訟を起こす動きとなっている。
■ネット端末機販売業者のユナイテッド・パワーに業務停止命令
経済産業省は10日、特定商取引法にもとづき、インターネット端末機の販売を行う連鎖販売業者、ユナイテッド・パワー(本社:東京都目黒区)に対し、連鎖販売の勧誘や新規契約を6か月停止するよう命じた。同社は、テレビにつないで使用するインターネット端末機を約50万円で販売。この端末を購入して同社の代理店となり、新たな代理店(購入者)を獲得すると利益が得られるとしていた。同社は、勧誘目的であることを明らかにしないまま勧誘を行ったり、絶対に儲かるなど虚偽の説明をしていた。また、長時間や深夜に及ぶ執ような勧誘を行ったり、契約書面に虚偽の記載をさせていたこともわかっている。同社の代理店の圧倒的多数は、収入が端末購入額の50万円を大きく下回っていた。
・特定商取引法違反の連鎖販売業者に対する業務停止命令について[PDF](経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/070810up.pdf
■聴覚障害者など5700人が被害、ゲームソフト会社「ヴィヴ」
多数の聴覚障害者がマルチ商法の被害にあっている。問題の会社はゲームソフトの開発等を行うヴィヴ(東京都千代田区)。53万円を払って会員になると毎月8万円が配当され、新たな会員を紹介して契約が成立した場合には7万5,000円を受け取ることができるとして、勧誘を行っていた。同社は全国で手話通訳付きのセミナーを開催して会員を募集し、5,700人から30億円を集めたが、そのうち3,000人は聴覚障害者。同社をめぐっては各地で被害者救済のための弁護団が結成されており、大阪、岡山、広島地裁ではすでに訴訟が起こされている。このうち大阪で起こされた訴訟については、6月、大阪地裁が被害者の請求通り900万円を支払うよう同社に命じている。同社については昨年9月、内閣府も注意を呼びかけていた。
・見守り新鮮情報:第3号 人を紹介すれば月に8万円の収入と勧誘される被害広がる![PDF](内閣府・消費者の窓)
http://www.consumer.go.jp/shinsen/file/shinsen03.pdf
(2007/08/13 ネットセキュリティニュース)
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