ウイルス感染によるファイル共有ソフトを介した情報流出が3件明らかになった。九州大学では全学生の個人情報が、島根県大田市では個人情報を含む行政情報が、北海電気工事の取引先からは北海道電力の顧客情報が、Winny(ウィニー)やShare(シェア)を介してインターネット上に流出した。
■九州大学、職員の自宅PCから全学生らの個人情報1万8,070名分流出
九州大学(福岡市東区)は1日、同大健康科学センター職員の自宅のパソコンから学生ら1万8,070名分の個人情報がShareを介して流出したと発表した。
同大によると、流出したのは同センターが管理する健康診断データと、同センターに事務局を置く日本健康支援学会の名簿。健康診断データには、2002年度に在籍していた全学生1万7,249名の学生番号、氏名、生年月日、性別、学年、所属などと、2002年と2003年に健康診断を受けた留学生453名の氏名、生年月日、性別、国籍、入学年月日、所属などが。名簿には同学会の会員と賛助会員368名の役職、氏名、住所、電話番号、所属などが含まれていた。
当該職員は2002年に健康診断用の、2004年に名簿管理用のソフトウェアを開発した際、これらデータを自宅のパソコンに保存。今年7月にShareをインストールし、19日にウイルスに感染し流出。23日、文部科学省からの連絡で流出が判明した。
・学生の個人情報の流出等について(九州大学)
http://www.kyushu-u.ac.jp/notice/index_read.php?kind=&S_Category=N&S_Page=Main&S_View=&word=&page=&B_Code=746
・個人情報(学会名簿)の流出に伴うお詫びと今後の対策について(日本健康支援学会)
http://www.ihs.kyushu-u.ac.jp/KenkouShien2/owabi.html
■島根県大田市、課長の私有PCから個人情報104名分を含む業務情報流出
島根県大田市は31日、産業振興部の課長の私有パソコンから個人情報104名分を含む業務情報が流出したと発表した。
市によると、流出した情報には市が2002年と2004年の雇用対策事業で雇用した104名の氏名と支払った賃金、大森観光センター(現・石見銀山特産品センター)の出店業者35社の社名や代表者名、売上額などのほか、課長の私的な住所録1,131件も含まれていた。
先月23日、県を通じて総務省から連絡があり調査したところ、当該課長が無断で業務情報を持ち出しウイルスに感染、Winnyを介して流出したことが判明。市は同日付で当該課長を減給10分の1、6か月の懲戒処分にした。
・職員による行政情報流出についてのお詫び(大田市)
http://www.iwamigin.jp/aspapp/kswlink.asp?act=ksw510a4&articleno=188&bbsno=bbs021&ret=http://www.iwamigin.jp/ohda/
■北海電気工事、取引先社員のPCから北海道電力の顧客情報5,456件流出
電気設備工事の北海電気工事(本社:札幌市白石区)は7月31日、取引先業者社員のパソコンから北海道電力の顧客情報5,456件がWinnyを介して流出したと発表した。
同社によると、流出したのは同社が北海道電力から請け負い、函館市内の電気工事会社に発注した引込み線工事の作業日報ファイル。2003年2月~今年5月に函館市、北斗市、七飯町で行った個人3,371件と法人2,085件の名前と住所が含まれていた。先月26日、北海道電力を通じて外部から連絡があり流出が判明した。
・北海道電力
http://www.hepco.co.jp/
・北海電気工事
http://www.hokkaidenki.co.jp/
(2007/08/03 ネットセキュリティニュース)
【先月の流出記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny/Share]情報流出:農研機構、古河市立小・中学校、関係者の懲戒処分3件(2007/07/26)
・[Winny]情報流出:損保ジャパン、栗原市、尾道市、志學館中等部・高等部(2007/07/24)
・[Winny]情報流出:医師のPCから患者情報、国交省関東地方整備局から事務情報(2007/07/18)
・[Winny]情報流出:離婚相談等を請け負う調査会社から個人情報含むデータ流出(2007/07/09)
・[Winny]流出:福山市民病院勤務医の私有PCから、2病院の患者情報約500名分(2007/07/05)
・[P2P]情報流出:警視庁がWinnyによる流出で謝罪/愛知県立高で生徒情報1万件(2007/07/02)