和洋書販売などの丸善(本社:東京都中央区)は、顧客の個人情報64万9,574件を記録したバックアップ用磁気テープの紛失を26日に発表、その後判明した内容を29日に続報として追加発表した。
発表によると、丸善は東京地区の災害を想定した復旧対応の一環として、取引データのバックアップをとった磁気テープを大阪支店に輸送し、そこで一時保管後、また東京に返送するという工程を繰り返している。この復旧対応業務を委託され実施しているNTTコミュニケーションズの大手町データセンタ(東京都千代田区)で23日、データのバックアップに使用していた磁気テープの紛失が確認された。
NTT コミュニケーションズは緊急対策本部を設置して捜索を行ったが発見できず、23日午後7時50分に丸善の担当責任者に電話で報告。丸善では同日深夜より担当役員をはじめとする関係者が対応を協議し、24日午前より代表取締役社長を本部長とする緊急対策本部を設置して捜査を続けた。しかし発見に至らなかったため、二次被害抑止等の観点から、26日に紛失事実を公開。所轄警察署に紛失届を提出するとともに、問合わせ専用フリーダイヤルを設置した。
紛失の可能性がある個人情報64万9,574件中には、クレジットカードデータ14万6,536件、銀行口座データ3万906件が含まれている。店頭で購入した顧客の情報は含まれていない。また、その後の調査で、店頭でクレジットカードで購入した取引情報、各店でポイントカード会員登録時に記入した情報、店頭での注文・修理時に記入した情報も含まれていないことが判明している。
当該データは通常のパソコン等では容易に取り出せないもので、現在までのところ被害報告は寄せられていないという。丸善は引き続き捜索を行うとともに、委託先管理の強化・徹底を含めた情報管理体制の見直しを行うとしている。
(2007/10/30 ネットセキュリティニュース)
■丸善のリリース[PDFファイル]
・お客様情報を含んだ情報記憶媒体紛失の可能性についてのお知らせ
http://www.maruzen.co.jp/ir/news/2007/important-release20071026.pdf
・「お客様情報を含んだ情報記憶媒体紛失の可能性について」に関するお知らせ(続報)
http://www.maruzen.co.jp/ir/news/2007/kkh-002_important-release20071029-1.pdf