ウイルス感染による業務情報の情報流出が新たに3件公表された。秦野市消防本部から行政情報が、海上保安学校から海上保安大学校の業務資料が、総商セレクトから派遣関係の書類が、Winnyを介してインターネット上に流出した。また、既報のNCAコンサルティングの情報流出で、風邪薬ルルや新三共胃腸薬で知られる第一三共ヘルスケアの顧客情報が含まれていたことも明らかになった。
■秦野市、Winny情報流出で消防職員を戒告処分
神奈川県秦野市は22日、行政文書を無断で持ち帰り流出させたとして、同市消防本部の課長を戒告処分とした。
市によると、流出したのは火災予防条例の一部改正に関する行政文書。先月15日ごろに、ウイルスに感染した自宅のパソコンからWinnyを介してインターネット上に流出。外部からの通報で発覚した。流出した情報には、個人情報は含まれていないという。
・秦野市
http://www.city.hadano.kanagawa.jp/
■第一三共ヘルスケア、キャンペーンの登録者情報2万8,364人分流出
Winnyのウイルス感染でNCAコンサルティング(東京都新宿区)社員の自宅から顧客情報などが流出した問題で、流出した個人顧客2万8,364名分が、第一三共ヘルスケア(東京都中央区)の顧客情報だったことが分かった。第一三共ヘルスケアは19日、ホームページで経緯を説明し謝罪した。
同社によると、流出したのは『栄養保健薬「ビトン-ハイECB2」ご愛用者登録キャンペーン』に、2004年12月9日~2006年12月14日までに登録された顧客の氏名、性別、住所、電話番号、生年月日、年齢、キャンペーン応募履歴など。同社はキャンペーンの管理運営業務をファースト(大阪本社:大阪市西区)に委託。その一部がNCAコンサルティングに再委託しており、NCA社員が業務用パソコンを無断で持ち帰り自宅のパソコンにつないだ際、業務パソコン内に残っていた当時のデータがNCAの業務情報と一緒に流出した。流出情報にはこのほかに、NCAの法人顧客6,376件と契約スタッフ1,795件も含まれていた。
・お客様の個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](第一三共ヘルスケア)
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/2007/pdf/1019viton_hi.pdf
・お得意先様のお客様の個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](ファースト)
http://www.the-first.co.jp/pdf/privacy_apc.pdf
・エヌ・シー・エー・コンサルティングHP<閉鎖中>
http://www.ncac.co.jp/
■海上保安学校、海上保安大学校の業務資料流出
海上保安学校(京都府舞鶴市)の職員の私有パソコンから、業務情報がWinnyネットワーク上に流出していたことがわかった。
流出したのは、職員が以前に勤務していた海上保安大学校(広島県呉市)での練習船の遠洋航海計画案や事務分担表、本人の個人情報が書かれた調書など。今月18日、ネット掲示板に流出情報が書き込まれ発覚した。海上保安庁をめぐっては、11日に第1管区海上保安本部広尾海上保安署(北海道広尾町)に所属する職員の私有パソコンから、海上保安学校時代の情報流出(業務情報は含まず)が発覚したばかり。
・海上保安大学校
http://www.jcga.ac.jp/
・海上保安学校
http://www.kaiho.mlit.go.jp/school/
■宮内工産グループ総商セレクト、派遣関係書類流出
人材派遣の宮内工産グループ(神奈川県大和市)は16日、総商セレクト富士事業所(静岡県富士市)に勤務する社員の自宅パソコンから、個人情報を含む業務情報が流出したと発表した。
同社によると、流出したのは富士事業所に移転する前の旧沼津事業所で扱った派遣関係の書類の一部で、当時の従業員226名分の氏名、住所を含む従業員名簿、派遣先14社分の請求書、稼動集計表、派遣契約書など。当該社員が今年7月、自宅で業務を行うために無断で持ち出し自宅のパソコンに保存していたところ、今月上旬にウイルスに感染しWinnyネットワーク上に流出。10日に匿名の電話で発覚した。
・情報漏洩のお詫びとお知らせについて(宮内工産グループ)
http://www.miyauchikousan-g.co.jp/html/owabi.html
(2007/10/24 ネットセキュリティニュース)
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