2005年に、闇サイトで殺人を請け負って現金を搾取する事件(消防庁職員が不倫相手の妻の殺害を依頼:下記関連記事参照)が発生したことは記憶に新しいが、その後も、インターネットの匿名性を利用した悪事の呼びかけは後を絶たない。闇サイトを使って集めた家出少女たちに窃盗をさせたり、麻薬密輸の運び屋を募集したり、はては仲間を募って強盗殺人に及ぶなど、あらゆる悪事に闇サイトが使われている。最近報じられた闇サイト関連の事件を振り返ってみた。
■闇サイトで集めた家出少女に窃盗を指示~男2人と少女ら逮捕
闇サイトで家出少女を集めて窃盗を指示したとして、住所不定の無職の男(25歳)と大田区内の男性会社員(34歳)が警視庁少年事件課に逮捕された。14~17歳の少女6人も窃盗容疑で逮捕され、13歳の少女1人が児童相談所に引き渡されている。彼らは今年5~7月、出会い系サイトなどを通じて男性を誘い出し、現金やクレジットカードなどを盗んでいた。
■闇サイトで麻薬の運び屋を募集、実際に動いた十数人起訴へ
覚せい剤や合成麻薬を中国から密輸したとして起訴された約20人のうち、十数人は闇サイトで集められた運び屋だった。共同通信によると、千葉、愛知、福岡の3県警は、昨年9月から今年5月までの間、中国から成田空港、中部国際空港、福岡空港へ少なくとも約15回の渡航を確認。成田空港に覚せい剤約1.1kgを密輸したとして起訴された弘前市在住の無職の男(36歳)は、横浜市在住の無職の男(40歳)とサイトを通じて知り合い、サイトを通じた人集めを頼まれたという。
■闇サイトで共謀、偽造住基台帳で携帯電話の詐取未遂
偽造した住民基本台帳カードで他人になりすまし、転売目的で携帯電話4台を詐取しようとしたとして、今治市在住の無職の男(25歳)など男女7名が、愛媛県警高松南署に逮捕された。容疑者らは闇サイトを通じて知り合い、7月下旬から自分たちの住基カードに細工をして偽造。愛媛、香川の両県で携帯電話約100台を詐取して関東方面で売却、約150万円の利益を上げたとみられている。
■闇サイトで強盗計画、顔を見られて殺害
愛知県名古屋市在住の派遣社員の女性(31歳)が8月、路上で拉致・殺害された事件で、住所不定の無職の男(40歳)、豊明市在住の新聞拡張員の男(36歳)、名古屋市の無職の男(32歳)の3容疑者が、愛知県警特捜本部に逮捕された。容疑者らは携帯電話の闇サイトで知り合い、面識のない不特定の女性から現金を奪う計画を立てて被害女性を拉致。現金などを奪ったうえ、顔を見られたとして殺害した。
■闇サイトで人集め、パチンコ店から約2千万円奪う
8月に兵庫県川西市のパチンコ店から約2千万円が奪われた事件で、兵庫県在住の同県職員の男(24歳)や大阪市在住の会社員(30歳)など6名が、大阪、兵庫両県警に逮捕された。容疑者らは同県職員の男が闇サイトに「仕事はありませんか」と書き込んだことがきっかけで知り合い、同県職員の男がアルバイトしていたパチンコ店から金を強奪しようと計画。同サイトで追加メンバーを募集し、店を下見したうえで襲撃していた。
(2007/11/13 ネットセキュリティニュース)