文部科学省は15日、全国の小中高校におけるいじめや暴力行為、自殺などに関する2006年度の調査結果を発表した。いじめの認知件数約12万件のうち、携帯電話やパソコンを使った「ネットいじめ」は4,883件だった。
全国の国公立、私立の小中高等学校を調査対象としたもので、いじめの認知件数は12万4,898件(前年度は2万143件)、いじめによる自殺者は6人(前年度は1人)。いずれも前年度を大幅に上回っているが、これには「いじめ」の定義が変更された(※1)ことが影響している。
具体的ないじめの件数(複数回答可)は、「冷やかしやからかい、悪口など」がもっとも多く8万2,844件で全体の66.3%、「仲間はずれ、集団による無視」が3万1,667件(25.4%)「軽く叩かれたり、蹴られたりする」が2万2,791件(18.2%)など。2005年度までは項目にあがっていなかった「パソコンや携帯電話での誹謗中傷や嫌がらせ」といったネットいじめは4,883件で3.9%を占めた。
最近のネットいじめの具体例としては、今年6月にさいたま市の私立高校の生徒らが同級生に殴る蹴るの暴行を加えた様子を携帯サイトで公開した例、昨年11月に北海道立高校の生徒が同級生をいじめる映像を自身のホームページに公開した例などがある。
※1)2006年度までの調査では、いじめの定義を「(1)自分より弱い者に対して一方的に、(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、(3)相手が深刻な苦痛を感じているもの」としていたが、いじめによる自殺が認知されないなどの問題点が指摘され、今回の調査より「当該児童生徒が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」という被害者の主観に重点をおいた定義に変更された。
(2007/11/20 ネットセキュリティニュース)
■平成18年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/11/07110710.htm
■平成18年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/11/07110710/001.htm
■いじめ(文部科学省)PDF
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/11/07110710/001/002.pdf
■自殺(文部科学省)PDF
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/11/07110710/001/006.pdf