セキュリティ対策のマカフィー(本社:東京都渋谷区)は20日、Webアドレスの入力ミスなどを悪用して不正に利益を得ようとする行為(タイポスクワッティング)について最新の調査研究を発表した。
「2007年タイポスクワッティング(綴り間違いのドメイン名の不正占有)の現状」と題する報告書で、この悪質行為が世界的に増加の一途をたどっていること、とくに子ども向けサイトがターゲットになっていることに警鐘を鳴らしている。
調査は、よく知られている2,771件の人気サイトに対し、190万件のつづり違いのサイトを対象として行われた。この調査対象のうち、12万7,381件が不正占有されたサイトだった。ユーザは、WebサイトのURLを間違えて入力すると、14回に1回の割合で不正占有されたサイトを訪れることになる。
不正占有が多い分野は、ゲームサイト(14.0%)、航空会社(11.4%)、主要メディア会社サイト(10.8%)、アダルトサイト(10.2%)、テクノロジーおよびWeb 2.0関連サイト(9.6%)など。子ども向けサイトはターゲットになりやすく、不正占有されている上位100サイトのうち24サイトは12歳以下の子どもが対象だった。スペルミスを利用して子供にポルノを見せるサイトもある。
こうした不正占拠行為が拡大している背景には、自動広告サービスの利用によって大量ドメインの売買が可能になっていること、.comなどのトップ レベル ドメインの新規登録に際し5日間のフリートライアルが導入されていることが大きく影響しているという。
報告書は、Yahoo、Googleなどの検索エンジンが、よくあるスペルミスに対し正しいと思われるスペルを表示し、不正占有サイトへアクセスする可能性を低減していることを評価。また、悪質なタイポスクワッティングに対抗している企業、組織に関する情報も記載している。
(2007/11/21 ネットセキュリティニュース)
■2007年タイポスクワッティング(綴り間違いのドメイン名の不正占有)の現状(マカフィー)
http://www.mcafee.com/japan/security/publication.asp