ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が3件明らかとなった。足柄消防組合消防本部では、課長補佐のパソコンから住民の個人情報を含む業務情報が流出。佐賀広域消防局では男性主査のパソコンから業務文書が流出したが、同時に、主査の妻である同市の市立中養護教諭が作成した市教委関係の文書も流出した。釧路高専では、情報工学科の男性准教授のパソコンから、学生の成績などを含む個人情報1万2,000件が流出している。
ファイル共有ソフトを介した情報流出については、今回明らかとなった3件を含め、消防関係者と教員からの流出の多さが目に付く。今年に入ってお伝えした流出事故だけを見ても消防関係が6件、教員関係が14件に上っており、6月には、流出との因果関係は不明なものの、児童の個人情報を流出させた小学校教諭が自殺している。
■足柄消防組合消防本部、住民の個人情報を含む業務情報流出
足柄消防組合消防本部(神奈川県南足柄市)は9日、課長補佐の私有パソコンから、住民の個人情報を含む業務ファイルがWinnyを介して流出したと発表した。同消防本部によると、流出したのは、2006年度に作成した火災現場での質問調書や活動報告書など。これらには、住民の住所、氏名などの個人情報が3件分含まれていた。流出は7日、総務省からの指摘で判明。同消防本部では公用パソコンの配備を今年8月に完了したが、それ以前に課長補佐が業務に使用していた私有パソコンから情報が流出したという。
・足柄消防組合
http://www.ashigara-fd.jp/index.htm
■佐賀消防署主査の私有パソコンから消防関係と市教委関係の行政文書が流出
佐賀広域消防局(佐賀県佐賀市)と佐賀市教育委員会は9日、佐賀消防署(佐賀県佐賀市)の男性主査(42歳)の私有パソコンから、行政文書がWinnyを介して流出していたと発表した。発表によると、主査とともに、主査の妻の同市立中学校養護教諭(43歳)もこのパソコンを使っており、消防局関連の文書40件と教委関係の文書7件、合わせて47件の行政文書が流出した。これらには、住民の個人情報は含まれていないという。発表によると、主査は以前Winnyを削除しようとしたが、削除に失敗していたため今回の流出に至ったという。流出は8日、総務省からの指摘で判明した。
・佐賀広育消防局
http://www.chubu.saga.saga.jp/f-syoubou.htm
・佐賀市
http://www.city.saga.lg.jp/
■釧路高専、教員の私有パソコンから学生など1,400名分の個人情報流出
釧路工業高等専門学校(北海道釧路市)は12日、学生や関係者の個人情報を含むデータがWinnyを介してインターネット上に流出していたことを明らかにした。同校によると、データは、同校情報工学科の男性准教授(40歳)が自宅で使用しているパソコンから流出。流出したデータには、在学生、卒業生、保護者、教職員の氏名、住所、電話番号や、一部学生の成績など、1,400名分、1万2,000件の個人情報が含まれていた。流出は11日、在校生からの指摘で発覚した。同校では、教職員および全学生に対して経緯説明と個人情報管理の徹底を指導し、情報の悪用があった場合の申し出について周知したという。
・個人情報の流出について(釧路工業高等専門学校)
http://www.kushiro-ct.ac.jp/office/shomu/kojin_joho.html
(2007/11/13 ネットセキュリティニュース)