未成年の携帯サイト利用をめぐって、フィルタリングサービスへの原則加入化が決まり、年齢別の機能制限設定に乗り出すサイトが現れた。携帯サイト認証機関の設立も発表されている。
10日、携帯事業者4社(ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム)は、未成年者の携帯について、有害サイトフィルタリングサービスへの加入を原則とすることを発表した。新規契約者、既存契約者とも、保護者から不要との意思表示がない限り、携帯に同サービスが設定される。年明けから対応が始まる。
11日には、10代の利用が多い無料の人気携帯ゲームサイト、モバゲータウン(モバゲー)を運営するディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区)が、ユーザーの年齢によって、利用できる機能に制限を加えることを発表した。13歳未満はミニメール利用不可。18歳未満では、2歳以上の年齢差があるユーザーとのミニメールやり取りが不可。友達検索機能も、18歳未満ではユーザーとの年齢差2歳までの検索以外不可。監視体制も強化されるという。
同じく11日、携帯電話事業者、メーカー、コンテンツ事業者など約250社で構成する業界団体、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が、健全なモバイルサイトを認定する第三者機関を2008年3月を目処に設立すると発表した。MCFでは、フィルタリングサービスがブログやSNSなどのカテゴリに属するサイトを一律に有害サイトとして扱うことを大きな問題と考え、有識者からなる第三者機関を設立するに至ったとしている。
これらの背景には、携帯電話のサイトを通じて未成年者が犯罪に巻き込まれるケースが多発している実態がある。出会い系サイト利用の危険性はよく語られるが、実は、コミュニケーション機能を備えたゲームサイトを介して未成年者が大人とつながりを持ち、事件に巻き込まれてしまう例も増加の一途をたどっている。上述のモバゲーがきっかけとなったケースもあり、殺人事件も発生している。
その実態については、本記事の続編「携帯サイト問題(2)」に、今年報じられた携帯ゲームサイト関連事件をまとめたので、参照していただきたい。
(2007/12/14 ネットセキュリティニュース)
■ 電気通信事業者協会と携帯事業者4社のリリース
http://www.tca.or.jp/japan/news/071210.html
■ ディー・エヌ・エーのリリース
http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2007/12/dena_5.html
■モバイル・コンテンツ・フォーラムのリリース
http://www.mcf.to/temp/organization.pdf