今月4日に公表された山口県防府土木建築事務所の情報流出に続いて、ファイル交換ソフトを介した流出が4件、明らかになった。静岡の美術品店からはホームページで実施した懸賞の応募者情報が、ゲーム開発会社のトーセ、愛知県田原市、カリブ海のトリニダード・トバゴ日本大使館からは業務関連情報が、Winny(ウィニー)ネットワーク上に流出した。
■アート静美洞、HPの懸賞応募者情報流出
静岡県焼津市の美術品専門店「アート静美洞」は21日、同社のホームページ上で実施した懸賞の応募者情報がインターネット上に流出していることが判明したと発表した。
同社によると、現時点で判明しているのは2004年12月実施分132名、2005年1月実施分53名、2005年4月実施分269名の計454名分の氏名、住所、メールアドレスなど。同社社員の自宅のパソコンがウイルスに感染し、当該パソコンに保存されていた応募者情報がWinnyを介して流出。今月20日に流出が判明した。
・お客様情報の流出に関するお詫びとご報告(アート静美洞)
http://www.seibidou.com/annai/oshirase.html
■トーセ、ゲーム開発関連情報流出
ゲーム開発を請け負うトーセ(本社:京都市下京区)は18日、同社の業務情報の一部が外部に流出していたと発表した。
同社によると、今月17日午前9時頃に匿名の通報があり、顧客名や開発案件名、開発内容、開発費、納期に関する情報10件が流出していたことが判明した。原因や流出経路などは分かっておらず、同社は専門業者を業者を活用して追跡するなどし、全容解明と再発防止に努めるとしている。
17日未明、ネット掲示板に同社からの流出らしき情報が報告されたが、ファイル名が通常のウイルス感染とは若干違っていたり、中身が単体のファイルだったことなどから、何者かが故意に流出させたのではないかという意見が寄せられていた。
・業務情報の漏洩に関するお知らせ[PDF](トーセ)
http://www.tose.co.jp/jp/ir/pdf/20071218.pdf
■愛知県田原市、旧町の職員名簿など流出
愛知県田原市は17日、合併前の旧町の職員名簿などが流出したと発表した。
市によると、流出したのは旧赤羽根町の職員88名分の氏名や住所が記載された職員名簿や、当該職員が以前に所属していた部署の職員29名分の非常連絡網、公開されている田原市の職員名簿約800名分などの業務資料。当該職員は、年賀状を作成するためにこれら情報を持ち出し自宅のパソコンに保存していたところ、10月4日にウイルスに感染しWinnyを介して流出。職員は流出の可能性を認識していたが市には報告しておらず、10月9日に総務省からの連絡で発覚した。
・田原市
http://www.city.tahara.aichi.jp/
■在トリニダード・トバゴ大使館、人事関係の業務情報など流出
外務省は7日、在トリニダード・トバゴ大使館に勤務する3等書記官の私有パソコンから業務情報が流出したと発表した。
流出したのは、省内の人事に関する文書など28件。書記官が作成した国際テロ組織「アルカーイダ」の動向に関する質問文書なども含まれていたが、機密文書に当たるものは含まれていないという。書記官は10月16日ごろウイルスに感染し、当該情報がWinnyネットワーク上に流出したとみられる。11月30日にネット掲示板で流出情報が報告され、同省の職員が書き込みを見つけて発覚した。
・外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/index.html
・Embassy of Japan Trinidad and Tobago
http://www.tt.emb-japan.go.jp/
(2007/12/25 ネットセキュリティニュース)