コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は1月に入り、ネットを悪用した海賊版販売で逮捕された事例を2件、公表した。1件はインターネットオークションサイト「WANTEDオークション」を悪用して販売、もう1件はウェブページなどは作らずスパムメールだけで集客していた。
■「WANTEDオークション」でCADソフト海賊版を販売、愛知県の男を逮捕
兵庫県尼崎東署は8日、「WANTEDオークション」で海賊版ソフトを販売した愛知県の男(50歳)を、著作権法違反の疑いで逮捕した。男は昨年10月、正規価格が59万8,000円の「AutoCAD 2008」を無断複製し、兵庫県の男性に5,000円で販売していた。
調べによると、男は生活費を稼ぐ目的で昨年3月ごろから海賊版の販売を始めた。オークションやファイル交換ソフトを通じてマスターとなる海賊版ソフトを入手。それを無断コピーした複製品をWANTEDオークションに出品するとともに、販売可能なCADソフトの一覧やフリーメールアドレスを提示するなどして、購入者を募っていた。
尼崎東署の署員がサイバーパトロールで男の出品を発見し、ACCSを通じて同ソフトの著作権者であるオートデスクインクに連絡した。ACCSは、男がジャストシステムの「三四郎2007優待版」海賊版も販売していたことを確認しており、同社も告訴を予定しているという。
・WANTEDオークションでCADソフトの海賊版を販売、男性を逮捕(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/news/news080109.html
■スパムメールでジャストシステムの海賊版を販売、大阪市の男を逮捕
北海道警生活経済課と厚別署は17日、スパムメールを利用して顧客を募り、海賊版ソフトを販売した大阪市の男(41歳)を、著作権法違反の疑いで逮捕した。男は、昨年11~12月に2回にわたり、ジャストシステムの「JUST Suite 2007」を無断複製し、札幌市の男性他1名に郵送で販売していた。
調べによると、男は「softmacbb」と名乗り、海賊版リストを不特定多数にメールで送りつけ、約100タイトルのビジネスソフトを2,000~10,000円程度で販売していた。スパムメールのみで販売を行っていたとみられ、警察はメール送付先リストの入手方法についても調べを進めている。
逮捕に至った経緯は芋づる式で、昨年6月に海賊版販売の男が北海道警などに逮捕されて「マスター」の入手元を特定。同年10月に「Advanced_mac」名で海賊版を販売していた男を逮捕し、その販売先を調べる中で、今回の男「softmacbb」の犯罪が発覚した。生活費稼ぎが目的だったという。
昨年1~8月に、数件の情報がACCSに寄せられていた。マイクロソフトの「Microsoft Windows Vista Ultimate」、ジャストシステムの「JUST Suite 2007」も販売目的で所持していたため、追加しての告訴が予定されている。
・海賊版販売が連鎖して発覚、無職男性を逮捕
http://www2.accsjp.or.jp/news/news080118.html(ACCS)
(2008/01/24 ネットセキュリティニュース)