公共施設や小中学校などの共用パソコンのウイルス感染が相次いで起こった。15日には香川県の公共施設「e-とぴあ・かがわ」で、来館者用パソコンのウイルス感染が判明、14日には山梨県笛吹市の小中学校2校で、翌15日には同県甲府市の小中学校6校で共用パソコンがウイルスに感染していることが判明した。
■「e-とぴあ・かがわ」来館者用PCがトロイの木馬に感染、情報流出の可能性も
情報通信交流館「e-とぴあ・かがわ」(香川県高松市)は15日、同館5F円卓コーナーのテレビ談話室のパソコン1台が昨年12月12日から今年2月13日までの2か月間、トロイの木馬に感染していたと発表した。
見つかったトロイの木馬は、特定サイト(オンラインゲームやオンラインショッピングサイトなど)のユーザIDとパスワード情報、キー入力、スクリーンショットなどを収集し、リモートサーバに送信する。同館によると、情報流出については現在調査中だが、当該パソコンでオンラインゲームやオンラインショッピングを利用したり、外部記憶媒体を接続した人には、IDやパスワードの変更を行い、同館に連絡してほしいと呼びかけている。
・情報通信交流館(e-とぴあ・かがわ)からのお詫びとお願い
http://www.e-topia-kagawa.jp/lets/news20080215.html
■山梨県笛吹市と甲府市の小中学校8校で共用パソコンがウイルス感染
山梨県笛吹市立石和南小学校で今月1日、男性教師が学校の共用パソコンに自宅で使用していたUSBメモリを差し込んだところ使用不能となり、ウイルスが発見された。その後、市教育委員会が市内の小中学校にウイルス感染の有無の確認を呼びかけたところ、12日に同市立浅川中学校の2台のパソコンでもウイルス感染が確認された。同教育委員会は14日、緊急集会を開いて市内の全小中学校に対策の徹底を呼びかけ、当面の間USBメモリなどの外部記憶装置の使用を禁止し、被害が発生した地区の小中学校に対してはインターネットの接続自体を禁止する措置をとった。
また同県甲府市内でも14日、小学校5校と中学校1校のパソコン計6台からウイルスが検出された。ウイルス対策ソフトで駆除されたケースもあったが、一部はウイルスに感染してファイルが開かないなどの被害が出た。いずれも私物のUSBメモリを介して感染したとみられている。同市教育委員会は15日、市内の全小中学校の担当教諭を集めて緊急の対策会議を開き、ウイルス対策ソフトが更新される18日までパソコンを使用禁止とすることや、パソコンとUSBメモリのウイルスチェックの徹底などを指導した。
このような事態を受け、県教育委員会は15日、各市町村の教育委員会に対してUSBメモリなどの外部記憶装置の取扱いに注意するよう通知した。
・山梨県笛吹市
http://www.city.fuefuki.yamanashi.jp/
・山梨県甲府市
http://www.city.kofu.yamanashi.jp/contents/
・山梨県教育委員会
http://www.pref.yamanashi.jp/barrier/html/kyouiku/index.html
「e-とぴあ・かがわ」のケースのように、不特定多数が利用する共用パソコンでアカウントや個人情報を入力すると、ウイルス感染や情報の抜き取りなどの被害にあう可能性があるため注意が必要だ。
(2008/02/18 ネットセキュリティニュース)