警察庁は25日、2007年の少年非行などの概要をまとめホームページで公表した。少年(※1)の検挙自体は減っているが、出会い系で勧誘する児童(※2)は激増し、児童ポルノ被害も5年連続増加するなど、予断を許さない状況が続いている。
刑法犯少年の検挙人数は、前年比8.5%減の10万3,224人と、4年連続して減少。成人を含めた刑法犯総検挙人数に占める少年の割合は28.2%で、前年を1.2ポイント下回った。
「児童買春・児童ポルノ禁止法(※3)」違反事件による送検件数は、1,914件(前年比14.1%減)、送検人数は1,361人(8.7%減)。
内訳をみると、児童買春事件の送検件数は、1,347件(16.5%減)、送検人数は984人(13.7%減)で、このうち出会い系サイトによるものが679件(12.4%減)、596人(13.7%減)と過半数を占める。被害児童数は1,160人(12.5%減)となっている。
また、児童ポルノ事件の送検件数は567件(8.0%減)と減少したが、送検人数は377人(7.7%増)に増加。うちインターネットがらみの事件は、192件(23.5%減)、350人(7.7%増)。被害児童数(※4)は304人(20.2%増)と、5年連続で増加した。
憂慮されるのは、出会い系サイトで性行為や金銭目的の交際を誘う書き込みを禁止した「出会い系サイト規制法(※5)」違反事件の増加である。送検件数は122件(159.6%増)、送検人数は114人(137.5%増)と増加。なかでも注目されるのは児童から誘いかけるケースが増えていることで、その数は前年の3倍。全体の半分を占めている。
※1)少年:20歳未満の者
※2)児童:18歳未満の者
※3)児童買春・児童ポルノ禁止法:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
※4)児童ポルノ事件の被害児童数:ビデオや写真に撮られた児童のうち、被害者が特定できた児童の数
※5)出会い系サイト規制法:インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
(2008/2/29 ネットセキュリティニュース)
■少年非行等の概要(平成19年)[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen36/syonen20080225.pdf