警察庁のまとめによると、昨年の出会い系サイト規制法違反事件の送検件数は、159.6%増の122件、送検人数は137.5%増の114人に増加。とくに子どもたちから誘いかけるケースが前年の3倍に激増し、全体の半分を占めるに至っている。
ネットセキュリティニュースでは昨年8月、出会い系で誘う子供たちの検挙事例7件をまとめたが、今回はその後半年の事例4件をご紹介する。
同法では、18歳未満の少年少女との性交渉や金銭などの授受を伴う交際を求めることを禁じており、18歳未満の相手を求めたり紹介することはもちろん、少年少女自身の誘いは書き込むだけで処罰の対象となる(少年法の規定で保護観察などの保護処分)。出会い系サイトの運営者に対し、都道府県公安委員会への届出や児童の書き込み削除を義務付ける改正案も29日に閣議決定されており、今国会での成立を目指している。
■2007年2月(埼玉県警少年捜査課と久喜署)
出会い系サイトで客を募り、女子中高生(当時13~15歳)を紹介していたとして、埼玉県の無職少女(17歳)と男3人を児童買春・児童ポルノ禁止法(周旋)違反の疑いで逮捕。グループの主犯格だった少女は、自分で出会い系サイトに書き込み客を集め、女子生徒を派遣。3~5万円で売春させ、5千~1万円を生徒に渡していたという。
■2008年1月(埼玉県警少年捜査課と蕨署)
出会い系サイトに援助交際をもちかける書き込みをしたとして、埼玉や茨城の女子中高生(当時12~16歳)5名を出会い系サイト規制法違反の非行事実で補導。少女の中には、興味本位で書き込み反応の多さに怖くなって止めた子もいたが、3人は実際に売春行為をしたという。
■2007年10月(愛知県警中村署)
出会い系サイトに「私の処女をもらって」「H系募集」などと書き込み、わいせつ行為の相手を募ったとして、愛知県の高2女子生徒(17歳)を出会い系サイト規制法違反の非行事実で書類送検した。女子生徒は興味本位で書き込んだという。
■2007年9月(愛知県警一宮署)
京都府城陽市の会社員の男を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕。男は前年5月ごろに、出会い系サイトで援交相手を募集していた高2女子生徒と知り合い買春。その後1年にわたって、毎月15万円を渡して女子生徒と援助交際を続けていた。
■2007年9月(福井県警少年課と福井南署)
出会い系サイトに援助交際を求める書き込みをしたとして、福井県の高1女子生徒(16歳)を出会い系サイト規制法違反の非行事実で書類送検した。女子生徒は中学3年だった同年1月上旬、出会い系サイトの掲示板に「援交して下さい」「5万で」などと書き込んでいたという。
(2008/03/03 ネットセキュリティニュース)
【関連サイト】
・危ない!出会い系サイト(警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/deai/index.html