警察庁は2月21日、2007年の出会い系サイトに関係した事件の検挙状況を発表した。検挙数は1,735件で前年より8.5%減少したが、被害児童の数は1,100人にのぼり、依然高い水準で推移している。
検挙件数のうち、「児童買春・児童ポルノ法違反」が760件で最も多く、全体の43.3%を占めた。次いで「青少年保護育成条例違反」が440件、「児童福祉法違反」が77件と、児童が犯罪に巻き込まれる事件が全体の7割にのぼった。
出会い系サイト規正法違反(不正誘引)の検挙数は122件で、うち児童によるものは半数の61件(前年より43件増)だった。事業者に対する是正命令はなかったが、法第7条(児童の利用の禁止の明示)または第8条(児童でないことの確認)の措置義務に違反している43サイトに対して警告を行ったという。
出会い系サイトにかかわる事件の被害者は1,297人で前年より減少したが、被害児童は1,100人(84.8%)にのぼり、うち1,097人(99.7%)が女子児童だった。女子児童被害者の86.1%が児童買春および青少年保護育成条例違反の被害者であり、前年と同じ高水準で推移した。被害児童の96.8%が携帯電話から出会い系サイトにアクセスしていた。また、成人被害者では、詐欺が81人で最も多かった。
2月29日には、同庁が1月に提出していた出会い系サイト規制法の改正案が閣議決定された。改正案では、児童を誘引する行為を禁止するとともに、出会い系サイト運営業者に対して届出や禁止誘引行為に関する書き込み削除を義務としている。違反者には罰則が課せられる。また、携帯会社などの通信事業者や児童の保護者に対して、フィルタリングの普及や利用に努めるよう義務づけている。
(2008/03/03 ネットセキュリティニュース)
■平成19年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf38.pdf
■「出会い系サイト規制法」について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/deai/law/index.html
■出会い系サイト規正法の改正案(警察庁)
・法律案要綱[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/cyber1/01_youkou.pdf
・法律案・理由[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/cyber1/02_houritsuan.pdf
・新旧対照条文[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/cyber1/03_shinkyuu.pdf
・参照条文[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/cyber1/04_sansho.pdf